まだ幼いこの猫ちゃん。

キャットフードは食べられるのかな?それともまだミルクだけなのかな?

1度も生き物を飼ったことがない私にはちんぷんかんぷんの手探り状態。

とりあえずミルクは飲むみたいだからあげてるけど、このままじゃだめだな。



「猫の育て方の本買わなくちゃ…あ、名前!」



この子の名前どうしよう…男の子だしなぁ、格好良い名前が良いかな!

んー…。



「……………り、リオ…?」



なんとなく頭に浮かんだ名前を猫ちゃんの方を向いて発してみた。

…反応してくれなかったらこの名前は却下だな。



「…にぃぁーにゃぁー」



! うわぁあぁああ!!返事してくれた…っ!



「よし!これからキミはリオくんだ!」

「にゃあ」



ちょっと仲良くなれたような私とリオは、この日一緒にベッドで寝た。

とゆうか私がベッドに入ると潜りこんできた。(可愛いかった!)

寒がりなのかな。







朝。

寝たままのリオをおいて静かに家を出て学校に向かう。





教室に着くと心がいた。

席につくと挨拶してくれる。



「名前!おはよう」

「おはよう、心。昨日黙って帰ってごめん!」

「え?だって私がそうしてって言ったんだから、名前が謝る必要ないじゃない」

「け、けど、気分的に…」

「ふふふ、何それ」



笑い合ったあと私はあることを思い出した。

マネージャーの件、断らなくちゃ…。



「あの、マネージャーのことだけど…私、やっぱり…」

「うん。分かったよ」



無意識に下がった私の頭を優しく撫でてくれた。

気、使わせちゃった…。



「ごめん…」

「謝るのはこっち。いきなりすぎたよね、ごめん」

「そんなことないよ!私が…」

「はい、この話はもう終わり!だから、もう気にしなくて良いから、ね?」

「…うん」

「もう、そんな顔しないのー。名前は笑顔が1番だよ!」

「ありがとー」



と言いながら心に抱きついた。(若干机が邪魔だけど)

優しい子だー…あ!



「心に報告することが!」

「報告?なに?」

「私ね、子猫拾ったの!」

「捨て猫?」

「うん!昨日の 「なになに?名前、猫拾ったのか?」 岳人くん!宍戸!」



リオのことを話していたら、朝練終わりの岳人くんと宍戸がきた。



「はよ、苗字、秋野」

「おはよう宍戸」

「おはよ。宍戸、朝からうるさい向日をどうにかしなさい」

「無理だな」

「ぅ、うるさいって何だよ秋野!だって気になるだろ!?」

「何が?猫が?それとも…」

「あーあーあー!このっ、秋野ー!!!」

「焦るな焦るな。見苦しいぞー?」

「〜っ! し、宍戸!俺のかわりに秋野を倒してくれ…って宍戸!」



俺が宍戸に助けを求めるため宍戸の方へ顔を向けると、名前と楽しそーに楽しそーに喋ってた。



「へー。昨日拾ったのか」

「うん!黒い毛並みの男の子でね、リオって名前にしたの!」

「苗字は親バカになりそうだな?」

「だって本当に可愛いんだよ!見たら宍戸、惚れるよ」

「今度見せて?名前の家にも行ってみたいし」

「うん!おいでー」

「ぉ、俺も行く!」

「向日も?」

「(バカ正直なやつ…)」

「(ぇえぇぇぇえ!が、岳人くんが家に?!)」



キーンコーンカーンコーン…


本気なのか冗談なのか確かめる前にチャイムが鳴ってしまい、岳人くんは自分の席へ戻った。

ああ、本気だったらどうしよう…私の家に、岳人くんが…?!

何度も接してるけど…テニキャラが私の家に来るなんて、考えただけで倒れそう。





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