「えっと…大丈夫ですか?」
テニキャラの登場にびっくりしている私にまだ声をかけてくれる鳳長太郎くん。
見ず知らずの人を心配するなんて、本当に優しい子なんだなー!
これ以上心配をかけるわけにもいかないので気持ちを落ち着かせて言葉を返す。
「子猫が捨てられてて…」
「捨て猫、ですか…」
「はい…だからどうしようかと思って…」
「そうだったんですか…。そうですね、このままにしとくのも危ないですし…」
考えこむ私たち。
「保健所に連れてくしか 「よし!」 …?」
「猫ちゃん、私が育てることにします!」
「ぇえ!?」
「大丈夫。責任もってお世話します!」
「は、はぁ…」
猫ちゃんに愛情をもって、捨てられた悲しさを癒してあげよう。
猫ちゃんは分かってないかもしれないけど、怖かったと思うから。
1人は、寂しいもんね。
それに、私も一人暮らしで寂しいし!
癒してもらおう!
私のいきなりの宣言に驚きを隠せない鳳くんに声をかける。
「(そうと決まれば、猫ちゃん用品買って来なくちゃ)それじゃぁ私これで失礼します!」
「! は、はい」
「あ。他人の私なんかを心配してくれてありがとうございました。優しいですね!」
「っえ!?」
優しい、と言われて驚きつつも照れているのが可愛いくて笑みがもれた。
そして子猫を抱きあげて、鳳くんに背を向けた。
こうゆう、素直で可愛い後輩って良いなー!
子猫を抱えながら弾む足取りで進む私はそんなことを思いながら帰った。
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