放課後を知らせるチャイムが校内に響き渡る。
「それじゃぁ名前、部活行きましょう?」
「うん!」
前の席に座る心が振り返り様言った。
どこの角度から見てもこの子は美麗だと思います、はい。
「苗字、もう部活入ったのか?」
早いな、と宍戸が部活に行く準備をしながら言った。
「ううん。心の部活を見に行くだけだよ」
「秋野の?お前って確か…」
「喋ってる暇なんて無いわ!名前、急ぐよ!」
心は宍戸の言葉を聞かずに私の手を引いて急ぎ足で教室を出た。
手を引かれたまま後に着いて行くとグラウンドに出た。
「ここよ」
「(え、何部?心は一体何部に所属してるの!?グラウンドだから…陸上部?!)」
ぐるぐると思考を張り巡らせていると心がそれを中断させた。
「私、サッカー部のマネージャーしてるの」
「マネージャー!?(か、格好良い…!)」
「1年のときからね」
「へぇ…ずっとやってるんだね」
「ええ。…それでね、名前」
「ん?」
心が私に向き直る。
「一緒にマネージャー、やらない?」
「…え?」
「名前と一緒にできたら楽しそうだなと思って。無理にとは言わないから、考えといて?」
「う、うん」
「ありがと!じゃぁ部員も集まって来たし、行くね」
ゆっくり見学してってね、と言い残して心は去って行った。
「もし入部しても私じゃ足手まといなマネ 「名前ちゃん!!」 んぇ!?」
私のどうでもいい独り言を誰かによって遮断されてしまった。
この声の持ち主ってまさか…
「ジローちゃん!?」
「え!俺のことそうやって呼んでくれてんの?!マジマジうっれCー!」
「!(しまった!)あ、芥川くんだよね。前私が躓いちゃって起こしちゃった…」
「えー!さっきみたいに名前で呼んでほCー!…じゃなくって!ちょっと名前ちゃん来て!」
「ぅ、え、ど、どこに?」
「いーから!」
私の手を引っ張るジローくん。
するとなぜか私の居た場所へ戻ってきた心。
「…名前?…と、芥川?」
「ちょっと名前ちゃん借りるね!」
「ぇ、ええ…」
…心があんなびっくりしてる顔初めて見た…。
なんてまたどうでも良いことを考えながらジローにどこかへ連れてかれる私なのでした。
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