5月5日は子どもの日、たんごのせっく?

それと、俺の誕生日!










羊の子守歌










「芥川ジローくん!」

「…………、?…んんん…」



4日の夜に名前ちゃんから、明日迎えに行くから家で待っててね!っていう電話があった。

時間も行き先も何も教えてくれなくって、名前ちゃんはそれだけいうと電話を切っちゃった。

……へへっ、なんだろー!誕生日だし、なんかしてくれんのかな?!サプライズ?!

って楽しみにしながら寝たのに、今、俺は名前ちゃんに起こされてる。(朝がくるのって早いね)



「ジロちゃん!おはよ!朝だよ!起きて!」

「んん………名前、ちゃん?なんで……?来るの、早すぎ…」

「だって早くジロちゃん喜ばせたくて!ごめんね!」

「かわいい……けどまだ朝の7時じゃんかぁ…?俺まだ寝てた……………………ぐぅ」

「ジーローくーん!いいとこ連れてったげるから、ね?行こ?」

「いいとこ………」



その一言に動かされた俺はベットからのっそり起き上がった。

そして名前ちゃんに背中を押されながら寝巻のまま家を出て、寝ぼけ眼で手を引かれながら走ってる。

気がつくと周りは全然見たことない風景で少し目が覚めた。



「ここ…どこ…?」

「氷帝とは正反対の方角だよ!」

「ふうん……どこ行くの?」

「ひ・み・つ!」



信号で止まったときに尋ねると名前ちゃんは可愛く動作もつけて返してくれた。(かわいい!)

足取りからして、目的地ははっきりしてるっぽい。

名前ちゃんはうっかりさんだから道に迷ってないか少し心配だったんだよね!










「ついたよ!」

「、え?!」



街とか河川敷を抜けてきたはずなのに、目の前にはきれいなお花畑があった。

周りには空しかない。



「すごいでしょ!丘だよ!」

「丘…」

「色んな抜け道とか裏道とか使うと辿り着くの!」

「っやっべー!マジすっげー!名前ちゃんすげー!よく見つけれたね!」

「でしょー!ジローに見せたくって!この日のためにとっといたの!……きゃー!」



名前ちゃんは叫びながらお花畑に突進してく。

それが微笑ましくって見てると、ジローもおいで!って手招きして呼んでくれた。



「なになにー?」

「ちょっと見ててね!」



そういうと名前ちゃんは辺りにある白い小さい花を摘んでひとつひとつ繋げてった。

見ててねって言ったきり、花に集中して黙々と。

俺が名前ちゃんを見つめてることにも気付かないくらい。

その姿にも見惚れちゃう。



「……………できた!ジロちゃんにシロツメクサの冠をプレゼント!わ、似合うよ!かわいい!」

「しろつめくさ…」

「うん!ジロちゃんの髪、金色だからもっと似合ってみえる!きれい」



俺にそっと花の冠をのせて笑ってる名前ちゃんを見てると嬉しくて嬉しくて、涙がでた。

それに気付いた名前ちゃんはものすごく驚いてた。



「ぁえ?!ジロちゃん?!どっ、どしたの?!」

「俺しあわせ。だいすき、名前ちゃん」










しばらく遊んでたけど名前ちゃんは疲れて眠っちゃった。

朝早かったしね。

なんとなく正座して名前ちゃんの顔を覗く。



「……かわいいよぅ」



眠る名前ちゃんのくちびるに、そっと、かするだけのきすをした








(だってがまんできなかったんだもん!)





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