今日は雲ひとつない青空。

それにポカポカとする暖かい日ざし。

こんな日は、私の膝の上で彼は眠るんだ。























「ジロー、起きてよ!」

「んー、苗字ちゃ、・・・ぐー」

「寝ないのっ!!次の授業出なきゃ跡部に怒られるよ?」

「はーい・・・」







彼・・・ジローはいつもこんな調子。

可愛いけど、勉強とか大丈夫なのかなってすごく思う。

まぁ、ダブリになったら跡部が黙っちゃいないだろうけどね。














ジローを無理やり立たせて、手を引いて歩こうとした。

すると背中に重くのしかかる感覚が・・・。

「ジロー?」

「ぐー・・・」

「はぁ・・・」

起きる気配もないので、そのまま引きずって教室まで行った。

・・・視線が痛い。

テニス部はファンクラブとか親衛隊があるから厄介。

でも、ジローのおかげでいじめもない。

あーいう人たちのいじめは陰湿そうだから、感謝してる。














「はぁー、疲れた・・・」

「お前も大変だなぁ、アーン?」

「跡部、そう思うなら手伝ってよ」

「無理だな」

「なんでよー!!」

「俺様は忙しいんだよ」

「くっそー!」









跡部と話しているときも、ジローは自分の席でスヤスヤ夢の中。

幸せそうな寝顔だから、見るとしょうがないなって思う。

私は可愛い子大好きだし?

・・・でも、ジローに対してはそれだけの感情じゃないかも、ね。





















「じゃぁ、今日は教科書37ページね。この問題を、芥川くん」

「ちょ、ジロー!当たってるよ!」

「んー・・・苗字ちゃん、だいすきー」

「は!?」

皆が一斉に笑い出した。

先生は「微笑ましいわねぇ〜」なーんて言ってるし。

もー、こっちはすごい恥ずかしいよ!!

・・・言うなら、2人きりのときに言って欲しかった。




















「・・・あれ、授業終わったの〜?」

「終わったの〜?・・・じゃないよ!」

「どうしたの、苗字ちゃん」

「お前、覚えてねぇのかよ」

「?」

「ジローのばかぁっ!!」

そう叫ぶと私は屋上に向かって走ってた。

もう、あそこにはいられないわっっていう悲劇のヒロイン的にね。

だって、恥ずかしいし・・・!













バタン!!

「はぁ・・・ジローのばーかばーか。まったくさ、そういうのは雰囲気がいいときとかに・・・」

「言って欲しかった?」

「うん、そりゃぁそうだよ」

「そっか〜」

「そうだよー・・・って、ジロー!!」

ジローが居るっていう自覚をするとまた先ほどのことが頭をよぎった。

顔が熱い・・・。

こんな顔を見せたくなかったから、私は背を向けていた。










すると、後ろからぎゅっと抱きしめられた。

「跡部から全部聞いたよ。ごめんね」

「・・・しょうがないじゃん。ジロー寝ぼけてたんだし」

「でも、苗字ちゃんが好きってことは本当だからね」

「へっ?あのー、それはどういう意味でしょうか・・・?」

「こういう意味だよ」

ジローは私の抱える向きを正面に変えた。





「んっ」




そして、キスをした。







「好きだよ、苗字ちゃん」










大好きだから許してしまう 私


















あとがき
ヒロちゃんに捧げますv
こんな駄文でごめんね。
でも、これからも仲良くしてね!
霧生伽凛(2007.9.16)






綾音ちゃんありがとう!
すんごくジロが可愛いです。
可愛いのに男前なことしてるのがもう…だいすき!(笑)





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