人生とは生まれてから死ぬまで息苦しい苦労に我が身を蝕まれる日々を何度も馬鹿みたいに繰り返しつづけるもののことだ。まあこれは俺の独断と偏見なわけだが、あながち間違ってはいないだろう。人生って平たく言えばこんなもんじゃない?
俺にとって「人生を送る」なんてまるで拷問だ。だって、生まれてから赤子として大人たちにまあまあ大切に育てられ、大きくなって物事がわかるようになってきたら今度は強制的に学校っていう狭い箱庭に送りこまれ(義務教育とかもう笑うしかないよねははっ)、人間関係とか色んな面倒なものに揉みに揉まれ、ほどほど社会の厳しさを覚えたところで次は大人らしく会社かなにかで身を粉にして働きながらまた苦労の波に抗って、もう人生うんざりはあ〜、って時にはもうしわくちゃの年寄りになっているんだよ?とてもじゃないけど「我が人生にいっぺんの悔いもなし」なんて言えないね。これじゃあ人生の八割が苦だよ。幸は四分の一しかないなんてどうかしてるって!
まあ何が言いたいかっていえば、俺はもうこんな"人生"こりごりだってことさ。っていうのを以前近くにいた適当な人間に言ったら「じゃあ死ねばいい」と言われたことがある。
なぜ人は生と死が対照だと考えるんだろうか。それじゃあ「生きるのが嫌なら死ね」ということになってしまう。まあそんな安易な考えを持っているから、あんな非道いことも言えてしまえるのだろうけれど。
…で、どこまで話したかな。ああ、俺が生きるのは嫌だって言ったとこだったね。ここで勘違いされちゃ困るんだけど、俺は別に生きるのが嫌だからって死にたいわけじゃないんだ。さっき言ったみたいな安易な考えは持っていないからね。死ぬっていうのは、当然痛いだろうし退屈だろうしとても進んで自らやりたいことだとは思わない。では生きるのも死ぬのも嫌となれば果たしてどうすればいいのか。まだなんとなくしか掴めていない答えなんだけど、たぶんこの世界からありとあらゆる苦痛が消えれば俺は初めて「生きたい」と思えるに違いないのではないかと思っている。俺の言う「生きる(=人生)」とは、苦痛の伴う日々を送るという行為そのもののことを言うわけなのだし。だから苦しみの届かない、俺の思い通りになる世界ならばどんなに楽しい人生が送れるのやら。そう、例えば**君が俺のことを……え?あっ、**君!今からサッカー?うん、もちろん行くよ!待ってて、今すぐ準備するから!


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整理がつかないヒロト



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