※色々と設定がひどい
※例のごとく同居ヒロ円
昨日は残業が長引き、家に帰ってきたのは日付をまたいだ頃だった。そのせいか目を覚ましたときにはもうすっかり陽が昇っていて、気を使って守が引いたままにしておいてくれたらしいカーテンのわずかな隙間から光が差し込んでいた。こんな時間まで寝ていたのはいつぶりだったか。それでもまだ少し重たい頭を軽く振ってからベッドを抜け出し、守の顔を見ようとリビングへ向かった俺は絶句した。
「あ、おはよう、お寝坊さん」
思わず扉を閉めた。
リビングを開けた先、コーヒー片手に新聞読んでるグランがいた。訳わからん。まだ目が覚めていないのだろうか。
もう一度扉を開ける。しかしやっぱりグランがそこにいた。しかもつい最近買ったばかりの俺の服を着ている。
「なん、なん…!」
「まあこっち来て座ったら?」
グランが自分の隣をポンポンと叩き俺に席を勧めた。本当に俺がそこに座るとでも思っているのかこいつ。
とりあえず持ち前の精神力で自分を立て直し、改めてリビングに目をやる。言うまでもなくグラン空気を前提に守の姿を探しているのだが、見当たらない。名前を呼ぼうかと口を開きかけた俺に、心を読んだかのようなグランが得意げな顔で「守ならついさっき買い出しに出かけたよ」と抜かした。
「そう…ってなんで守呼びなの」
「だって昔からそう呼んでるだろ、君。だから俺にとっても守呼びは当然だよ」
さっきから聞いていればなんなんだこいつは。いや、色んな意味で、なんなんだ?
こいつは一体何者で(俺と関わりがあるのは違いない)、一体なぜここにいるのか。こいつは…
「俺は君だよ、」
まただ。また考えていることを読まれている。読心術を心得た俺似の人間なのか?そうでなければこいつの言う通り俺自身なのか。…なんだかめんどくさい話になってきてるなこれ。
「たぶんエイリア石かなにかの影響でこうなったんだよ。あっちなみに守にはもう全部説明してあるから安心してね」
一体なにに安心をしろというのだ。
「ついでに言うと、もう守には同居の許可を貰ってあるから安心してね」
だから一体なにに………え?
「ええッなにッ言っ、て、!?」
ドウキョ?同居!?おいなにコーヒー啜りながら笑ってんだ!あっ、しかもおまっ、こぼし…買ったばっかのシャツなのに!!だからなに笑ってんだ!
あまりの怒りに浮き出た額の血管が切れる寸前、ガチャリと玄関で鍵の開く音がして我に返った。き、救世主が帰ってきた!
「ただいまー…あっ、おはようヒロト」
「おかえりおはよう、そしておつかれさま守!帰ってきて早々なんだけどちょっと話が…」
両手に持っていた大きなビニール袋を床に置く守に先程の同居の話について持ち出せば、あろうことか守は。
「まあ細かいことは気にすんなよ。な?」
とグランに同意を求めてウインクをする始末。泣き出したくなった。てかそのウインク後で俺にもして下さい。
「…守の薄情者…」
「あのなあ…手伝いもするって言ってるんだしいいじゃないか別に。それに、家族が増えたみたいで楽しいさ、きっと」
家族。その単語になにも言い返せなくなった。横を見れば眉を下げて笑うグランがいた。
「…まあ、しばらくは、いいかな」
「ははっ素直じゃないなあ」
少しだけまだ納得のいかないような顔を作って言えば、守が目を細めて笑った。そのやりとりにグランも笑顔になって、じゃあしばらくはお世話になります。だなんて言うもんだから、今度は三人揃って声をあげて笑ってしまった。
……不服だけど、案外こんなのも、いいかもしれないな…。
「あっそうだ忘れるとこだった!グランの分の下着買ってきといたから、明日からはそれ履くといいぞ」
「わあっ、わざわざありがとう守。でも俺は全然今の、守の下着のままでよかったのに」
「待て待て待て、ちょっとあっちで話し合おうかグラン君」
前言撤回、貴様に明日の日の目は拝ませぬ。
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私だけが楽しい上に文章がひどい