同居しだして一年目。最近なんだか守の態度が素っ気ない。もしやこれが倦怠期?やっべえなんか目から水出てきた。いや待て泣いてる場合じゃないぞ俺。まだ倦怠期だなんて決まったわけじゃない。そうだ、守はきっとまだ俺を嫌いになんかなってないさ、嫌いになんかなってないさ!…なってないから止まれよ涙…!



「はあ?別れたい?」

目の前に座って肉じゃがをつついていた守が物凄くめんどくさそうに眉を寄せた。それもそうだ、俺が突然別れたいだなんて言い出したのだから。
勿論俺にそんな気は微塵もない。いわばこれは賭けである。こう切り出した俺に対して守がどう反応してくるか。守の中にはまだ俺への愛があるのかを確認したいのだ。いや勿論守のことは、信じている。

が。

「いいよ、」

えっ。
守が人参を頬張りながらけろりと言った。えっ、えっ、嘘、だって俺の予想では守は行かないで、って俺に泣いて縋るはずだったのに。なにこれこわい。これじゃ俺が守に泣いて縋ることになってしまう!いや大変なのはそこじゃない!

「ん、ごちそうさまでした」

えっ、ちょっと、守、まっ…!さっさと食器片付けてリビング出て行っちゃったよそんな!待ってよ守!
慌てて守の跡を追って寝室に駆け込んだら、守はタンスの前でせっせと何かをダンボールに詰めて…ってうあああああ俺の私物だあああ!!!やめて守ううう!!ていうか俺が出てく側なんだねうあああ

「なんだようるさいな。今荷造りしてやってんだから黙ってろよ」

こわっ!!ににに睨まれたよすみませんんん!けどここで引き下がったら(主に俺のメンタルが)大変なことになってしまう、もうダメだ素直に言おう!
ごめんね守、実は…!

「…はぁ?俺からの愛情を確かめたかったって?」

はい…そうですすみません本当の本当に誠に申し訳ありませ…うぎゃあああ荷造り再開しないでえええええええ




「おらもっと強く揉めや」

あっはいすみません!
俺は今泣きながら守の肩を揉んでいる。理由は上の通り。でも肩揉みで許して貰えるならお釣りがくる位だ。…あっやばい鼻水垂れてきた、ぐすっ。

「肩終わったら腕で、次は足な」

あっはい喜んで!
いや肩だけじゃなくても十分お釣りがきます、はい。もうなんでもします。今回は本当に反省してます。ぐすっ。

「ったく、いつまで泣いてるんだよ…泣きたいのはこっちだバカ」

えっ、守、それって…!

「……ちゃんとお前のこと、その、好きだから」

まっ守ううああ俺も大好きですうううう!疑ってごめんね、愛してる!やっぱり俺たちはまだまたラブラブだったんだ!よし今夜は二人でシーツの波に溺れよ…ってうああ調子のりましたすみませんだから荷造りやめてええええええ


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なんやかんやで仲いい二人



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