最近わかったことなんだけど、おれはおかしい。
だっておれ、男が好きなんだ…いや待てちょっと違う。男が好きなんじゃなくて、男を好きになった…いや同じか。あーまあその、要するにおれはヒロトのことが好きなんだ。
ヒロトが笑うと幸せで、話しかけられるとすごく嬉しくなる。でもヒロトがおれ以外のやつと話してるともやもやして胸がぐるぐるーってなるんだ。もしヒロトが誰かを好きになったとしたら、おれはその想いを素直に応援できないと思う。
うん、そうだ。おれはヒロトが好きすぎて辛いんだ!ほんとにヒロトが好きだ!
こんなのはおかしいってわかってるけど、もう耐えられない。はい友達ですなんて関係に収まりたくない。
もうほんと、好きだー!って気持ちで胸が張り裂けそう!
ていうか考えすぎて頭も張り裂けそう。
だから、今日おれヒロトに告白しようと思ってるんだ。断られてもめげない。とゆうよりも、おれのゴールにそんな答えはいれさせない。もし失点したらおれはその瞬間からヒロトにとってただのホモだ、そうだホモだ!そうはなりたくないから頑張れおれ!
…で、なんの話してたんだっけ。ああ、そうだおれの告白だ!
うん、でさ、おれは、ヒロトからは良い返事しか聞きたくないんだ。わがままなのはわかってる。でもやっぱり否定されるのはこわい。
だから、出来るだけ良いイメージを作って告白したいんだ。こう、なんていうか、あー、いや、でも…あああよくわかんなくなってきた!とりあえずおれはヒロトからの流星ブレードなら全力でおれのゴールにいれてやりた…え?なんかちがう?
ああ、流星ブレードっていうのはヒロトからの良い返事っていうことの例えで…え、そーゆうことじゃない?まあいいや。
まあとにかくおれが言いたいのは、ヒロトにどんな風に告白すればいいかってことだ!


力説する円堂を前に、風丸は静かに悟りをひらきかけていた。
幼なじみが恋情に悩む姿にぜひ支えになってやりたいと思ったはいいが、なんだかもう円堂のそれは軽く風丸のキャパを超えていた。
だが、そこまでならまだ踏ん張れた。自室のドアの隙間から赤い毛先が揺れ動くのを見るまでは。

尚も頭を悩ませる円堂(ある意味風丸にとってもだが)がそれに気付く様子はない。
ただひとこと「がんばれ」と掠れた声で言うと、そのまま風丸は意識を断ち切った。それが今の彼にできる唯一無二の選択であった。




「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -