あいつと過ごす毎日は楽しい。眩しくて穏やかで、そんな日々だ。

「やっと終わった!!」

栄口が心底嬉しそうに教科書類をバッグにしまう。今日は体育やら実技教科がなく、数学に英語に盛りだくさんだった(古典は無かった)。だから余計長く感じたんだよな。

「ホームルーム始めるぞー」

担任が入ってきて皆が各々の席に座る。君島なんかエナメルバッグ背負ったまま話聞いてるぞ。どんだけ部活楽しみなんだよ。

「…ーまあもうすぐ県総大なんかあるし、くれぐれも怪我とかしないように!以上。気をつけて帰れよ」
「ういー!!さようなら!!」

君島は勢いよく飛び出していった。野球部は総大関係ないからな。地区総大同様応援行こう。

「巣山、俺職員室行かなきゃいけないから先行ってて」
「そっか、栄口今日日直だったもんな」
「うん。日誌置いてくる」
「じゃあ先行ってんな」
「すぐ行くね!」

楽しそうに笑って栄口は職員室へ早足で向かっていった。俺もノートやら何やら鞄につめ、席を立った。

「栄口くん、いますか」

教室の入口に立つ女の子。見たことないな、誰だろう。ってそんなことより。

「…栄口?」
「う、うん…話がね、あるんだけど」

これは、告白とかそういう部類の話なんだろうなって、そう思う。彼女とか、なんのかな。

「話…ね。あいつ今職員室だけど」
「え、そうなの」
「あいつすぐ部活行くだろうから、手短に頼むな」

あからさまにシュンとした態度の女の子。ちょっと冷たかったか。でも。

「…分かった」
「悪いな」

女の子が引き返したところを見計らって、彼のバッグを持ち職員室へ向かった。

3.君が好きだと実感した出来事

「あれ、巣山どうしたの…って俺の荷物まで」
「クモが出たって騒いでたから、教室行かないでこっちから下降りようぜ」
「え、クモ!?わかった、ありがとう巣山」
「…」

意地悪して、ごめん。




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