大学の近くへ引っ越しをした。郊外だから家賃は高くはない。せっかくだから広い部屋を選んだ。駅まで近いとは言えないが、バス等の利用でアクセスも便利な土地だ。

「…さて、と」

休日返上で研究に没頭しようと思ったが、最近ろくに寝ていないことを知った教授に強制休養を命じられた。土曜日。野球も日シリまでの期間試合がない。洗濯も掃除も終わってしまったため、だらだらとテレビを見ている。

「どうすっかな」

アイツに連絡しようか、と思って携帯を手にしてみるものの、忙しいのではと指先が止まる。
想いを告げれば同じくらいのそれが返ってきた。消さなければいけないと思っていた気持ちが掬われる。とても幸せだった。

アイツには最近会っていない。俺が引っ越してしまい距離が遠くなってしまったせいでもあるんだけど。
できるだけ今の仕事を続けるようで、更に気合いが入っていた。そういやどこの学校なんだろ。引っ越しとかもあるよな。

「…」

考えたら会いたくなった。俺は電話ではなくメールを入れる。暇な時返してくれればいいや。
メールを打ち終わり、コーヒーでも飲もうと立ち上がったら着信を知らせるバイブが響く。

「もしもし?」
もしもし巣山?今日暇なの?
「ああ、暇。なーんもない」
俺、今仕事の関係で近くにいるんだけどさ、もう少ししたら終わるから…会えないかな
「どこ?」
えっ
「迎えに行く」

早く君に会いたい。




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