「夕飯どうすっか」

とりあえず駅で待ち合わせして巣山と夕飯を食べることにした。明日は土曜日で一緒にデーゲームを観に行くから泊まり。
一緒に野球をしてラーメン食べてからは、電車以外で会うの初めてだ。妙に新鮮な気がする。会社帰りに夜の街を歩くのなんて、初めて会った日以来。あれからまだ少ししか経っていないのに、確実に歩み寄っている自覚はある。それは古くからの友人みたいな、またちょっとそれと違うような。

「食べていく?っても金曜日だしどこも混んでそうだよな」
「そうだねえ」

ふらっと適当なラーメン屋にでも入るような雰囲気ではない。巣山はどうしたいんだろう。

「ビールとつまみでも買って、帰る?」

そう尋ねると彼は笑って「賛成」と言った。

「明日早いし」
「あ、だね。さっと食べて飲んで早く寝ようか」
「おー」

デーゲームは内野で観る予定だ。自由席だから早く並ばないと。
俺達は近くにあったスーパーに入った。食品売場には美味しそうな惣菜が沢山売っている。でも。

「うーん」
「…同じこと考えてっかも」
「え」

巣山は声を潜めて言った。

「結局、この辺で買うより、手間かけて作った方が料理美味く感じそう」
「うん、そうだね。巣山料理うまそう」
「お前もだろ。大学から独り暮らしだし、慣れもある」

夜ということもあり、あまり品揃えはいいと言えなかった。結局俺と巣山は二人で適当な野菜や野菜、ビールなんかをカゴに入れて帰路についた。






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