逢えないから

___


「何で宗は、いつも笑ってんの?」
『え』
「嫌なら嫌だって、言うべきじゃねーの?」
『…そんなこと言っても、聞く耳持たれないんだから仕方無いでしょ。言うだけ無駄って分かってるのに言っても意味無いんだから』
「、」

宗が海南のキャプテンになって、俺がアメリカに行って。
そんな中でも二人仲良くやってきた、のに。
互いに気遣って(特に宗が俺に、だけど)、優しい言葉とかちゃんと気持ち伝え合ったりとかして、上手く言えないけど会えなくたって毎日どんどん好きになっていく自分に気づいていた。
なのに、何でこんなことで口論しなきゃいけないんだよ。
女子バスケ部が体育館の使用ルール守らないなんて話に何でなったんだっけ。
ああ、そうだ。
キャプテン大変かって話からなったんだ。
部活は特に変化無いけどそういう時の対処が大変だって。
宗は優しいからあんまキツく注意出来ないんじゃないかな。
そうやって言ったら宗は曖昧に返事をした。

『でも、小菅とかもいるし』
「こすげ?」
『うん、副キャプテンの。小菅女子とも普通に話せるから助かってる』

こすげって誰、だなんて聞かなくても教えてくれる。
落武者だけだと思っていた危険人物がもう一人増えるなんて。
面倒なことになりそうだ。

「只の、女好きなんじゃねーの?」
『小菅はそんな子じゃないよ。気配りだって出来てるし努力家だし。女子とだって自分からは最低限しか話さないしね』
「…」
『何、栄治』
「?」
『焼き餅?』

目の前に宗がいたら多分恥ずかしさのあまり思い切り突き飛ばしていたと思う。
え、焼き餅!?
誰が!?
俺が!?

『あはは、嬉しい』
「焼き餅、なんか、んなんじゃねえし!」
『説得力無いよ?』
「…っ」
『でも有難う、妬いてるの俺だけだと思ってた』
「!」

結局いつも、君は欲しい言葉をくれる。

大好きな君へ。
この気持ち、溶かしてやってください。

『安心して?多分俺栄治が思ってる以上に栄治に溺れてるから』
「!」
『また電話するね』
「…っ、宗」
『ん』
「…大好き」
『!』

俺だって、君しか見えない。



END



***
匿名様より四万打リク「どちらかの嫉妬話神沢」でした!
楽しかったです^^
有難うございました!
神沢広がれば良いなぁ…


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