ときめきのアメリカンチェリー



さくらんぼのへたを口で結べる奴ってさ、エロいキスうまいらしいぜ!

この間のお昼、田島がそんなことを言っていた。あはは、なんて笑っていたけれど。そういえばあの時、栄口ちょうど席外してたっけ。

「巣山見て見て!!」
「ん?」

栄口の家に遊びに行ったら、近所の人に貰ったというアメリカンチェリーが出てきた。果物は苦手だけど、せっかくだから一つ二つ頂いた。チェリー独特の甘さが口内に拡がる。

「さくらんぼのへた口で結べるんだ、俺」
「ぶふっ!」

ぺろって結んだへたを見せてきた栄口。本当に綺麗に結べている。それを見ながらも俺の脳内には田島の言葉がエンドレスリピートでBGMで流れていた。

「ちょっとした自慢」
「…栄口」
「ん?」

ちゅ、と一秒くらい唇をくっつけてすぐ話した。相変わらず栄口の唇は柔らかい。

「っ巣山」
「ソレできる奴、キスがうまいんだってさ」
「え!?」
「こないだ田島が言ってた」
「…田島め」

恨めしそうにそっぽ向いた栄口の顎を掴まえて、角度を変えて口づける。甘い。彼の唇の色も匂いも、チェリーみたいだ。

「んっ」
「うまいなら教えてよ、栄口せんせ」
「っや、やだ」
「…やなの?」
「だって…す、巣山のがずっとずっとうまい」

キスうまいって褒められても…と苦笑したら鼻にキスされた。

「…鼻でも恥ずかしいのに…俺、教えらんないよ」

顔を真っ赤にして、栄口はたどたどしく言った。

「栄口…すげー可愛い」

アメリカンチェリーより甘くて、可愛くて、いとおしい君



***
もりたんHappyBirthday!
大好きなもりたんへ大好きな巣栄を捧げます。いつだか盛り上がったときめきのアメリカンチェリー!!
おめでとう!





目次へ


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -