「でさ、こいつマジありえねんだよ」
「だってまさか女子が来るとは思わねーじゃん!!俺だって分かってたらパンツ脱ごうとしなかったし」
「女子来るとか来ないとかな、その前に体育の後は普通に授業あるんだからさー」
「とりあえず学校で必要以上にパンツ脱ぐのはやめとけ田島。捕まんぞ」

冷静な巣山が、コッペパンを頬張りながらつっこんだ。
今一組に九組の野球部が集まっている。その噂を聞いて仲間に入れてもらおうと思った俺は、半ば嫌がる阿部と花井を連れて一組を訪れた。

「ねー君島」
「おう水谷」

ドア付近にいたサッカー部の君島に声をかける。

「どうしたの?」
「うん、サッカーってのはうんぬんかんぬんって話を工藤に説いてた」
「君島のことじゃなくて、あれ!!」

示した方を見て、君島は「ああ」と言った後工藤と顔を見合わせて笑った。

「体育終わって田島が教室でパンツ脱いでたら女子が戻ってきて…皆で色々フォローしたんだと」
「そうなんだ!!あはは……ってそうじゃなくて!なんで九組がここにいるの?」

根本的に分からなかった俺は、それを聞いてみる。

「団長が、一組野球部には世話になってるから弁当作ってきたんだってさ。で、一緒食べてるって」
「ええええ」

いいないいな!俺も弁当食べたいんだけど!!
俺は君島の肩を揺さぶって気持ちを伝えた。

「行ってくれば?勇気があんならさ」
「え」

揺さぶられてふらふらになった君島の代わりに、隣にいた工藤が野球部を顎でしゃくった。俺はその先を見る。

「…う!!!」

俺は一気に「俺も仲間に入れてー!」と飛び込む勇気が無くなった。

「あ、三橋唐揚げ食べる?」

にこっと笑いながら「お皿」と手を出す栄口に、キラキラした目でお礼を述べながらお皿を差し出す三橋。
「う、ごほっごほっ!!」
「ほら田島」
「………うー、サンキュー巣山!!」

むせた田島に茶を差し出して背中をさすっている巣山。それを温かく見守る浜田と泉。

「ほら、行ってこいよ」

復活した君島がニヤニヤして行ってきた。

「え、だってあれ…か、家族みたいじゃん!!」

水入らずのとこにぶっこむ勇気は…さすがの俺にも、ない!!

「あ、米谷」
「水谷だよ!!泉の馬鹿!!」
「水谷もおいでよ。あ、阿部と花井も!」
「ありがとう栄口!!!」

確かにさっきのは家族みたいだと思ったけど…だけど!!やっぱり野球部は皆家族だよね!!

「この前のピクニック楽しかったね」
「え、俺誘われてないよ!?」

家族…だよ…ね?



***
匿名様よりリクエストの「家族みたいな一組と九組」でした!
水谷がかわいそうになってしまいましたが 笑

匿名様!
この度は素敵なリクエストありがとうございました!!
遅くなってしまい申し訳ありません…
第三者視点ということで水谷チョイスさせていただきました!!
ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします*


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