「いいかお前ら…」
「おう!」
「バスケ部!!」
「あー、はい」
「サッカー部!!」
「はいっっ!!あと君島もね」
「剣道部!!」
「うす」
「野球部!!」
「はいっ」
「はい」
「俺達の中にバレー部はいないけど…俺達が最強だ!!」
「おうっ!」
「決勝、九組ぶっ飛ばすぞー!!!!一組ファイー」
「オー!!」

球技大会バレーボール部門決勝戦。バレー部が一人いる九組に対して一組は一人もいない。どんな闘いが待っているのか。てか12人の中に野球部…あ、浜田さんも入れると六人…比率高いな。

「栄口」

手招きされて、巣山の隣に立つ。安定のポジション。今まで何やかんやうまく機能してきたから、今回もうまくいけばいいなと思う。

「おーい!!栄口ー巣山ー!」
「田島は元気だなあ」
「野球部のコンビネーションもすごかったよね。頑張らないと」
「ああ」

パチン、と二人で手を合わせて鳴らした。

「君島っ」
「おう!!」

バシ!!
サッカー部なのに手を使うバレーも上手いとかほんと君島の運動神経はすごい。そういえば測定田島の次だったって言ってたっけ。

「まだまだあ!!」

君島のスパイクを浜田さんがとる。ラリーが続く。

「巣山っ」
「はい」

巣山はアタックを打つフリをして、誰もいない端に軽くボールを落とした。落ちる。

ピッ

「巣山すご!!」
「まぐれだろ。よし栄口…セッター頼んだぞ」
「う」
「お前のトスなら、何としても返すから」

ちょん、と人差し指で俺のおでこを弾いて笑った。優しい笑顔。かっこいい言葉。

「うん」

俺は前を見据えた。

「行くぞー!!」

バンッ

サーブが甘く入る。そのまま田島にアタックされた。

「さっきの仕返し」

田島は巣山にニンマリと笑った。巣山の闘志が燃え上がったように思えて、俺は苦笑する。

「巣山」
「ん」
「上げるからね」
「…おう」

次は三橋のサーブだ。上げてやる。

「い、きます、よー」
「、きた!!」

三橋のサーブはゆるゆる上がって俺の頭の上を過ぎて急降下した。

「え」
「うあああああ!!」
「君島!!」

「絶対優勝してやろうぜ!!力はなくても、チームワーク見せつけてやるんだ」君島の言葉が脳裏をよぎる。

「栄口いいい!!!」

伸ばした君島の手へかすかに触れて、ボールは小さく上がった。俺はそれを掬うように拾って上げる。

「巣山!!」
「ナイストス」

筋肉質な足を曲げ伸ばして、坊主は高く飛んだ。長くて無駄の無い腕が、俺の上げたボールを相手陣地へ押しやる。ボールが田島の元へいき、上げたけど威力のあったそれは遠くへ飛んでいった。泉が追いかけたけど、取られない。ゲームセット。

ピーッ

「よっしゃああああ!!」
「巣山!!巣山ナイス!!」
「おう」

喜びを分かち合いながら、整列して挨拶に行く。

「くっそー、返せたと思ったんだけどなあ…てか負けかよー!!悔しい!!」
「はいはい、惜しかったな田島。でもナイスファイト」
「田島くん、すご、かった!!」

傍に行った巣山は田島に伝える。

「びびったよ、あれ返されんじゃないかって」
「力つけなきゃなー、次はゲンミツに返すから!!」
「おう」

田島と巣山はがっちり握手を交わした。

「てかお前ら試合中いちゃつきすぎじゃね」

泉の言葉に、俺と巣山は顔を見合せて赤面した。



***
ms様よりリクエストの「球技大会一組」でした。
九組と対決…とのことでしたので、バレーボール選ばせていただきましたっ
サッカー…と思いましたがサッカーはとことん分からないので 笑

ms様!今回はリクエストありがとうございました!!
九組との絡みはあまり書くことないので楽しかったです。いつも来てくださっているとのこと、本当にありがとうございます!!
数少ない一組サイトとして頑張っていきたいと思いますので宜しくお願いします!
ありがとうございました*


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