「ターケ」

ぎゅ、と音が鳴るくらい背中から強く抱き締められる。
俺が座っていて準太が立ち膝だから体格差はあっても今は準太の唇の方が上にあって。耳元で感じる慣れない吐息に心臓がドクリと高鳴った。

「、どうした?」

速くなった鼓動に気付かれないように、落ち着いて返答した。

「せっかくタケん家来たのにさっき買った雑誌ばっか読んでっから」
「ああ、悪い。つい読みふけってた」
「別に良いけどさ」

耳元で、言葉を発されることがこんなにも理性を吹き飛ばしかねないとは思わなかった。

「もう読み終わったよ」

本当は気になる記事もまだ残っていた。でも準太をこれ以上暇にさせてしまうのはいけないと思ってページを閉じた。
だってこれだけで嬉しそうに笑うから。

「急かしてごめんな、タケ」
「いや、大丈夫だよ」

いつまでもこの体勢でいては面白くない。俺はくるりと体を転換させて準太の唇を塞いだ。
空いた隙間から息が漏れていたから、呼吸なんかできないほど深く口づける。

「、んっ」
「準太」

名前を呼んで唇を離す。

「え」

するとキョトンとした準太がいた。

「?」
「…いや」

顔を真っ赤にして視線を逸らした準太を見て、気持ちが分かってしまったからこっちも恥ずかしくなってしまう。

「…もっとして欲しかった?」

わざと口角を少し上げて言ってやる。準太の瞳が揺れたから、それはイエスだと受け取ってまた唇を奪いに行く。

「今日は甘えただな」
「…るせっ」
「可愛いな」
「…久しぶりなんだから、良いだろ」

何度も何度も口づける。その度可愛い反応を見せる恋人が愛しくて、ますます想いが募っていく。

「…好きだよ」

普段あまり言わない言葉を送れば、「知ってんよ」なんて可愛いげのない返事が返ってきたけど。
その時の笑顔がすごく嬉しそうだったから俺も笑顔を溢した。

「…俺も好き」

ぼそり。
不意打ちな準太の一言でにやける口元を隠すように、首筋にキスを落とした。



END



***
匿名様より六万打フリリク「タケに甘える準太」でした。
私が書くタケ準は結構準さんが甘えたです(笑)むしろ甘やかすタケが好きです。
大好きなタケ準リクエストありがとうございました!!
書き直し希望などありましたらお気軽にご連絡ください。


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