※生徒×先生パロ
「巣山君」
図書室に二人きり。勉強を教えて欲しくて頼んだら図書室を指定された。
まだ朝早いから誰もいない。でも国語の担当である先生と一緒ならまだ開館しない時間でも図書室を使うのは大丈夫だった。
「、はい」
「ここ、間違ってるよ?この単語の意味は二つあるから気を付けないと」
「あー…またやっちまいました」
「混乱させるために両方の意味を選択肢に入れる場合だってあるんだから、授業中に言ったことは覚えておくようにね」
ニコ、と微笑まれる。
生徒のためにこんな朝早く学校来させて本当に申し訳無いと思う。
でもそう言ったらまた笑って言ったんだ。
「そんなの、頑張ってる巣山君の力になれるなら全然苦じゃないよ」
だからまた、こうして胸がいっぱいになる。
「先生」
「どうしたの?」
「…何でもないです」
一応、“そういう”関係ではある。
でも先生と生徒だなんてなかなか外で二人きりで会うことはできないから。
結局学校の授業やこうして普通に会うだけ。
でもそれだけで幸せだったんだ。笑顔を見られるだけで、こっちまで幸せになれたから。頑張ろうと思えたから。
「お、全問正解」
「マジすか」
「これはテスト楽しみだなあ。問題とかは教えられないんだけどね」
ゆったりと笑う、目の前の愛しい人。
好きだって思う度、ただいつも想う度に。
傍にいたいと、触れたいと、思う。
「栄口先生」
「どした?まだ分かんないとことかあった?」
「好きです」
真っ正面からはっきりと伝える。だんだん先生の顔は真っ赤に染まってきた。本当に年上なのかと疑うくらい可愛くて仕方無い。
「な、何言って…」
「そのままの意味です」
「そりゃ、分かるけど…いきなりどうしたの?」
「先生の笑顔見てたら想いが溢れてしまいました」
思ったことをそのまま伝えてみた。先生は顔を手で覆ってしまう。俺はその手をどけて真っ直ぐに向かい合った。
「、やっ」
「栄口先生」
「…恥ずかしいってば」
「…ずっと、傍にいてください」
「…え」
卒業したらお別れだなんて絶対に嫌だ。今だけの関係ならば持たない方が良い。それだけのめり込んでしまう自分がいる。
栄口先生はキョトンとした後に俺の頬をつねって言った。
「巣山君から、逃げられるわけないじゃん。こんだけ俺も惚れてんだから」
そして、大人っぽく笑った。
「…」
「どしたの」
「先生、大人みたいで嫌です」
「はあ?」
結局追い掛けるのはいつも俺の方。子どもだから仕方無いって割りきれれば良いけどそうもいかないわけで。
俺は先生の頬に唇を寄せた。
「…テスト90いったら次はここをください」
真っ赤に染まった先生の顔についた唇を、自分の人差し指で撫でた。
「…〜っ」
「約束ですよ」
「ありがとうございました」と言って席を立つ。
今回のテストはいつもより頑張ってみようか。
先生のことを想いながら、図書室を出た。
END
***
里里様より六万打フリリク「栄口先生と生徒巣山のラブラブほのぼの」でした。
栄口先生…前に書いたような書いていないような。しかし楽しかったです!巣山君先生設定はあったんですが。
生徒×先生好きです。可愛い…
巣山君は大人びているので大丈夫ですよね。
ほのぼの大好きなので嬉しかったです。
リクエストありがとうございました!!
書き直し希望などお気軽にお申し付けください。
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