よく晴れた日曜日。
いつもなら今頃炎天下の中で白球を追いかけながら泥まみれになっているはずなのに。
今日はグラウンドの工事やらで部活が休みになった。
たまの休日、コイビトと遊ぶのも良いじゃないか。
ということで利央と二人、少し遠めのゲーセンにやってきた。
これからは少し早い昼食を近くの喫茶店でとる予定だ。

「慎吾さん!!次はあれ取ってよ!!」

後輩に手招きされ、俺は仕方ないと思いながらも歩み寄る。そして100円玉を投入した。

「これで良いか?」
「ううん、そこの白いやつ」
「あ、これか」
「そうそう!!」
「じゃあ行くぞ」

ウィーンという機械音と共にクレーンが動き、目標の品まで到達する。ここで少しずれたら駄目だ。きちんと最高のポジションで広げるのがポイントだ。
そして思惑通り落ちたぬいぐるみを取り出す。

「ほらよ」
「わ、ありがとう慎吾さん!!」
「ピンクもいるか?」
「ピンクは良いかなー」
「集めてるんじゃないのかよ」

さっき黄色をとったからあとピンクをとればシリーズが揃うのに。そう思っていたら聞き慣れた声が後ろからした。

「あれ、慎吾さん!?」

その声に振り向くと、そこには準太の姿が。嫌な予感がしたがそれは的中した。
さっきの発言で、ぞろぞろとチームメイトが集まってきたのだ。

「今日デートだったんだ利央」

その中からひょっこり顔を出したのは迅で。

「迅!!これ慎吾さんがとってくれたんだ!!」
「うわ、すごい慎吾さん!!」
「迅が欲しがってた白もとってもらったよ」
「え、マジ!?ありがとうございます慎吾さん!!」
「え、お、おう」

不意にお礼を言われて驚いていると、もっと驚くことを言われた。

「じゃあ慎吾と利央も合流だな」
「え、何言ってんの和己」
「お前ら二人を置いて遊ぶなんてダメだろ?皆仲間なのに」

和己はやけに爽やかな顔で持ち前のキャプテンシーを発揮し出した。え、まだ俺と利央の関係に気づいていないわけ?

「和さん、いやこの二人は」

ナイスだタケ。ずばっと言ってやれ。

「分かってるよタケ、こっそりとって迅を喜ばしたかったんだよな?」
「え」
「慎吾も粋なことするよな。かっこつけやがって」

俺がうなだれていると、傍に準太が来てこう言った。

「俺だってタケと遊ぼうとしてたらその前に山さんが来て捕まったんですからね」
「甘いんだよ、俺らは昨夜から一緒だったし」
「でも結局見つかったんですから行きますよ」
「え、おかしいだろ」

利央も反撃しろと後ろを向いたら山ちゃんの魔の手が行き届いていた。遅かった。

「利央ハンバーグ食べに行くよね〜?ハンバーグ美味い店知ってるよ〜」
「行きます!!ハンバーグ大好きです!!」
「…」
「じゃあ出発!!」

結局いつものメンバーで過ごす休みになってしまった。
でも溜め息を吐いていたら利央が耳元で囁いた。

「でも夜は一緒に過ごそうねっ」

まあどこにいても誰といても、結局君が幸せなら何でもいいやって思えた。
そんな晴れた日曜日。



END



***
六万打フリリク、匿名様より「二人で遊んでいたら皆とばったりな島利」でした。
島利良いですよ島利。すごく可愛いです。
寧ろ桐青の皆が好きです。
素敵なリクエストありがとうございました!!
書き直し希望などお気軽にお申し付けください。



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