分担から30分後、西浦野球部(+浜田)全員が揃う。
皆は散らばって各自花火をつけ始めた。

「う、わっすげぇ!!」

幼い頃からやっていなかった感覚に、泉は不意に感嘆の声を上げた。
浜田が満足そうに肩を抱く。
いつもなら離す体を、泉は今日くらいはと離さないでいてやった。

「素直な泉も可愛いっ大好きだーっっ」
「やっぱり失せろ!!てか何でおめーがいんだよっ」

ギャーギャー言い始めた泉と浜田の隣では、阿部と三橋がいた。

「…どれ、やりたい?」
「こ、れっ!」

阿部は三橋が指差した線香花火に火を点けて渡す。

「良いか、火傷だけはすんなよ。危ないから田島のロケット花火にも近づくな」
「は、はい…っ」

少し離れた所では…

「阿部、うっせーなー」
「良いじゃんっ俺らは俺らで楽しもうぜっ!!」

花火より田島の笑顔の方が綺麗だなんて言葉は、そっと自分の中に閉まっておこうと思った花井。
言葉の替わりに、田島の持っているロケット花火に手を添えて、二人で楽しんだ。

「沖、これで…良いかなあ…」
「な、何でも良いよっ西広と…楽しめるなら」
「うん、俺も」

西広と沖も、こっちはこっちで二人の世界。
たどたどしいやり取りは、まるで新婚のようだった。

「あっ!」
「大丈夫か栄口?」
「ん、ちょっと火傷したかな」
「気をつけろよ、お前だけの体じゃないんだからな」

巣山の格好良い言葉に、栄口は小さく微笑んだ。

「…うん、御免」
「良いよ、ほら」
「あっ」

巣山は栄口の火傷した指を軽く口にくわえて舐めた。

「も、巣山ってば…」

少し文句を言いながらも、栄口はとても幸せそうに笑って巣山の手を握った。

「…なあ、俺は?」

水谷は相手がいずに、一人寂しい時間を過ごしたとか何とか。



END



***
すみませんでした。
西浦CP全部やってしまいました。
皆いちゃこいててすみません。
水谷にも愛はあるんですっ
愛があるからこその扱いなんです←
フリーですのでご自由にっ

一周年有難う御座いましたっ!



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