「なぁなぁ、花火やろうぜーっ」
「お、良いな」

夏休み最終日。
西浦高校野球部はいつも通り一日部活をしていた。
夏休み最終日だろうが夏休みが終わろうが、そんなの監督には一切関係無かった
のだ。

しかし、最終日ということで少し早めには終わってくれた。
学校で疲れを見せられても困るからだ。

「じゃあ、買いに行くか。全員で行くとあれだから、準備班と買い物班に分けよ
うぜ」

主将の花井が言う。
こんな時にもリーダーシップをはってくれる頼もしい存在だった。

「じゃあ、じゃんけんか?三橋はなるったけ準備に回せよ。楽だからな」

阿部はいつまでも三橋が一番大事らしいです。

「誰もおめーの意見なんか聞かねーよ。三橋だって買い物行きたいよな?」

泉の言葉に、三橋は無言で辿々しく頷いた。

「お、れっ同級生…と買い物、なんてあんま、行けな、いからっ」

三橋の言葉に、阿部は反論できずに俯いた。
西浦の皆は涙を流す。

「三橋、俺達は良いから買い物行きな?」
「楽しそうな花火買ってくるんだぞ?」
「さか、えぐち君っ!す、やま君っ!!」

栄口と巣山に感激して、キラキラと視線を送る三橋。

「巣山、俺達二人で準備できるよね?」
「ああ、できるな」
「俺達二人残るから、皆行ってきなよ!」

最終的に、栄口と巣山(一組)と沖と西広(三組)が準備。
その他は買い物ということに決まった。

「行ってきまーすっ」
「行ってらっしゃい。」



続く





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