「すーやまー」

社会人二年目の巣山と栄口。
同棲を始めたのは良いが仕事が忙しくてあまり二人の時間を過ごせずにいた。
寝室に二人でいても、栄口はベッドに、そして巣山は椅子に座って書類に目を通している。

「どした」

巣山は仕事の書類から目を離さないまま栄口の声に応えた。

「まだ寝ないの?」
「あーもう少し寝られないから先寝てて良いぞ」
「え」
「それとも、一人じゃ眠れない?」
「…っ巣山の馬鹿!眠れるから!!」

栄口はゴロゴロしていたベッドの毛布にくるまる。
その様子を巣山は楽しそうに見ていた。
そしてふと息を吐くと書類を机に置いてベッドに腰掛ける。

「栄口―」
「寝てます」
「…寝てる奴は話しませーん」

巣山は腕を広げて毛布ごと恋人の体を抱き締めた。

「、すや」
「あれ、寝てたんじゃなかったっけ」
「…今起こされたんですー」
「嘘つけ」

毛布をはがし、そのまま巣山もベッドの中に入った。

「仕事、もう良いの?」
「おう、明日でも良いや」
「…明日で、間に合うの?」
「ただざっと目と押しておけば良いやつだから大丈夫」

栄口はその言葉にようやく安心したのか巣山にぎゅ、と抱きついた。

「良かった」
「寂しかったんだろ?」
「…ちょっとね」

巣山は役所、栄口は教師として働いているため、多忙なのは仕方が無かった。
でもやっぱり、二人の時間は温かくて優しくて。

「栄口」
「?」
「手、繋いで寝るか」
「!」
「嫌?」
「え、う、ううん!!全然嫌じゃない!」

そっか、と笑った巣山は隣にいる恋人の手を優しく握った。
その分だけ相手からも優しい力が返ってくる。
二人の温度が、繋がれた手と手の間を行き来して心地良い。

「毎日手繋いで寝るか」
「!」

思ってもみなかった嬉しい提案に、栄口は思い切り頷いて応える。

「うんっ、賛成!!」
「よし、おやすみ」
「…おやすみ」

今日はどんな夢を見るのだろう。夢の中ででも、君と会えたら良いのに。
そんなことを思いながら、二人は眠りについた。



END


***
役所職員な巣山君と、古典の先生な栄口君。
二人は同棲しててもらぶらぶです 笑
沢山イチャコラさせようと思います!!

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -