「ねえ聡」
「…何」
「あんた毎晩バスケばっかやって…少しは他のことで青春しようとか思わないの?」
「…別に、思わないし」
「お母さん寂しいのよ?」

最近晩御飯を食べている時は母からこんな話ばかりされる。
部活で疲れている時にそんな話ばかりされても…と、軽く流すんだけど。

「そんなんだから恋人出来ないのよ?」
「、いるよ!」

母の一言にムッとしてつい口走ってしまった。目の前にいる母の目がどんどん輝いてくる。

「え、何処の誰!?可愛い!?」
「っ」
「今度連れて来なさいね、あ、今度の明後日の土曜日午前練習だったわよね、連れてきなさい、良いわね?」
「、え」
「お母さんケーキ焼いて待ってるからね!!」

母はニコニコしながら父の元へと向かう。

「お父さん?聡が明後日彼女連れてくるからね〜」
「お、本当か聡。父さんも会社行かないで待ってようかな」
「え、ちょ、」
「可愛い子なのか?」
「…可愛いっていうか…格好良い、系かな…」

誰も女の子だなんて言っていないんだけど。そんなことは言えずに話は進んでいってしまう。

「ボーイッシュな子なのか?」
「きっとクールな子なのよ。楽しみねえ」

二人の笑顔が痛かった。





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