(キレイな……フォーム)

シュートしたボールが足元に転がってきたから、えっと……小さい人はあたしに気づいたみたい。



「何、1年?」

『あ、はい一応?』



いきなり聞かれたことにびっくりしたからかは分からないけど、何故か疑問系になった。



「……一応?」

『いつももっと下に見られるんで』



これは嘘じゃない。本当のこと。
どうせこの人だってあたしのこと中学生とか思ってたりするでしょ。



「高校に中学生来ないでしょ」

『あ、そっか。そうだ…うん』



ぷっと小さく笑われた。くそ、ぷちショック。
片手でボールを持ち、指の上でまわし始めた。



「……名前は?」

『名字名前……です』

「そ。僕、池沢佳主馬」

『先輩……ですよね』




内ぐつをみて学年別の色を確認する。1つ上の色、赤。でも身長的に…




「身長のこと?」

『……気に障ったならすみません』


なんで思ってたこと分かるの?(超能力??)



「いいよ、慣れてる」




ダンッと1回ボールをついた。
あたしたち以外誰もいない体育館に音が響く。



『バスケ部…ですか?』

「…今日は練習試合の助っ人。他に本職あるし」

『…さいですか』



なんだ、そうだったのか、と頷いた。でも先輩は首をかしげた。



「さいですか?」

『作用ですか、ってことです』




一瞬きょとんとして笑った。え、笑われること言った?




「名字さん、面白いね。バスケ一緒やらない?」

『えっと……あたし最近運動してないので…たぶん筋肉痛が待っているかと』



大体、体育でしか運動やらなくなったし。



「いいよ、やろう。よし決定」

『え、あたしの意見は無視ですか』


左手を引かれ、リング前まで直行される。


「名字さん、毒舌だよね」

『不思議ちゃんといってください』

「確かに不思議かも」










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