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だんだんと空の高さに秋の訪れを感じてきた今日この頃。今日から10月に入り、衣替えの時期です。





「おす、燐。宿題やってきたか?」

「おう!雪男に無理矢理やらされただけなんだけどな」

「馬鹿。オレが言ってんのは塾の宿題じゃなくて学校のだよ」


今日も兄さんと一緒に登校してきたら、丁度名字さんに会った。名字さんは一目見て誰もが男と判断するが、あの人は女だ。訳があって男装をしているらしい。
元からショートヘアで性格も男っぽかったらしく、あまり違和感は、ない。

兄さんは学校のほうの宿題をすっかり忘れていたらしく、顔を青くしている。塾の宿題は僕が任務でいないとき以外は必ずしてもらうようにしている。
だから塾は安心なんだけど……。


「うえ、宿題?学校の宿題なんかあったっけか?」

「あるんだよ。お前この土日何してたんだ、あほか」

「うう、うるせえっ」


今度からは兄さんの宿題は塾のだけでなく、学校のも見てあげようと思った。そのときは学校の宿題を名字さんに聞かなきゃな。

兄さんが無事に宿題の問題を乗り越えられたのかはわからないが、今日も平和に午前の授業が終わった。
僕は教室で女子たちに話しかけられる前に急いで出てきた。中庭まで差し掛かったとき、なにやらいつもより賑やかだったから足を止めた。


「ねえねえ、名字くんて奥村君と仲良かったよね?」

「んー、雪男?」

「どこ行ったか知らない?!」


いつも僕に付きまとっている女子たちが今日に限って名字さんの周りに集まっていた。これは逃げてきた僕のせいで名字さんがとばっちりをくっている。
そう考えたらその女子の集団に行きたくない足を向けることになった。


「名字さん!」

「お、雪男。今来ちゃ…」

「「「奥村くん!どこ行ってたの?!」」」


名字さんの周りにいた女子たちは僕を見た瞬間にこちらに寄ってきた。僕なんかのどこがいいんだろうか。大体成績がいいことしか取り柄がないはず。


「あの、名字くんに迷惑をかけるのは…」

「なんで?」

「だって雪男くんすぐどっかいっちゃうんだもん。お昼一緒に食べたいと思ってたのに」


僕がなんとか名字さんに迷惑かけないようにと言葉をかけようにも、この手の女子は話を聞いてくれない。それくらいは分かっていたがやはりつらい。むしろすこし苛々さえしてくる。


「ですから」

「あのな、雪男は色々とやることもあるし、昼休みくらい息抜きさせてやってくれない?その間オレでよければ一緒にご飯食べるし」

「名字くんがいうなら」

「うん、仕方ないよね…」


名字さんは女子なのに比較的中性的な顔をしているのもあって、顔立ちはどちらの姿でもすごく綺麗だ。だから影でファンクラブというものができていたり、結構告白されているのを見たことがある。
名字さんは冗談であまりこういった類のことを話す性格ではないことをみんながしっている。だからしつこかった女子も名字さんの言葉には素直に頷いた。


「てことで、雪男。ゆっくり飯食って来い、な?」

「………」

「って、え?雪男?」

「少し名字くんをお借りします」

「あ」

「うん」


あなたどれだけ僕より心が広いんですか。
あなたどれだけ僕より男前なんですか。

僕より男前でどうするんですか









貴方よりも男前









▼青、逢う様提出作品でした。
男装少女すきなんです。
好物なものかかせていただいて、楽しかったです!
ありがとうございました。


間宮




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