休日のいつもより忙しい日。今日も喫茶店はいつもいる常連さんやカップルなどで賑わっていた。

カラ〜ン

あ、お客さんきた。

『いらっしゃいませー』

来たのは小学生くらいの男の子と同い年くらいの女の子。手を繋いでて可愛らしい。

『お二人様ですか?』
「うん、ボクとつばさ姉ちゃんの二人だよ」
「こ、コナン君」
『かしこまりました。こちらの席へどうぞ』

子供ってあんまりこないけど可愛い。席に案内すると元気よく返事してくれた。

「咲ちゃーん」
『はーい』

いけない、仕事しないと。

「これ、窓際のお客さんにケーキセット」
「すいませーん」
『はい、少々お待ちください』

ケーキセットを運んで呼ばれた方に行くとさっきの二人組だった。

「ねえ、お姉さん。ここのオススメって何?」
『オススメはこのケーキセットかな。紅茶かコーヒー選べてこの中から好きなケーキ選べるよ。あっ紅茶かコーヒー飲めなかったらジュースでもいいよ』
「じゃあ私はアイスミルクティーとベリータルトにしようかな。コナン君は?」
「ボクはブレンドコーヒーとモンブランにする!」
『カフェオレとかにもできるけどブレンドコーヒーでいいの?』
「うん!ボク飲めるよ」
『かしこまりました。ちょっと待っててね』

メニューを取りマスターに伝える。最近の子はコーヒー飲めるのか。すごいな。マスターがブレンドとミルクティーを入れている間にケーキを準備する。マスターから飲み物を貰ってまたあの二人の所へ行った。

『お待たせしました。ケーキセットのベリータルトとモンブラン。アイスミルクティーとブレンドコーヒーお持ちしました』
「わっ、美味しそう」
「ありがとう、お姉さん」
『ごゆっくりどうぞ』

カラ〜ン

『いらっしゃい…響也さん』
「やあ、今日もいつもの頼むよ」
『わかりました。すぐ、持ってきますね』

牙琉響也さん、毎日来てくれる常連さんで、現役検事で人気バンド「ガリューウェーブ」のヴォーカルで。そして私の婚約者だ。話したいけど今日は人がいっぱいでそんな余裕がない。仕方なく頼まれた物を運び、仕事に没頭した。

カラ〜ン

『いらっしゃいませー』
「二名なんだがいいだろうか」
『席空いてますよ。こちらへどうぞ』

品の良さそうな肘までの手袋をした女性とこれまたパリッとノリのきいたスーツをきた男性だ。年は若いけどカップルか夫婦かなと思い、子供がいる隣の席に案内する。

『ご注文が決まりましたらお呼び下さい』

隣の席の人達は…

「つばさお姉ちゃん、あーん」
「コナン君、私自分で食べれるから」

てなことをやっていた。ないだろうけど初々しいカップルのようにも、子供が食べさせようと必死になっているようにも見えて非常に和む。

「すいません」
『はい、ご注文はお決まりですか?』
「ああ、私はブレンドコーヒーで」
「私はアールグレイお願いするわ」
『かしこまりました』

注文を聞いてマスターに言って持っていく。

『お待たせしました。ブレンドコーヒーとアールグレイになります』
「いい匂いね」
「ああ、コーヒーも美味しいよ」
『ありがとうございます。どちらもマスターのこだわりの品です』
「そうだ…ぐふ、がっ」

急に男の人が苦しみだした。喉の当たりを押さえてる。

『お客様!?どうしました!!』
「アナタ!!どうしたの!?」

喫茶店の中は騒ぎになり、私も何がどうなっているのかわからず男の人の背をさすっていた。

「マスター、救急車だ!早く!!」

苦しんでいた男の人は急に動かなくなり、ぱたりと机に突っ伏した。

お客の多くがいる休日の喫茶店。穏やかだった時間は急速に怒声や喧騒に変わってしまった。




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