「佳主馬!!」
「もう何?騒がしいなあ」
ピシャァンッ!という効果音の付きそうなくらい戸を思い切り開けると、そこには荷造りを始めている佳主馬がいた。なんだ、佳主馬も帰る気満々じゃないか。…………わたしが悪いのかも、しれないけど。
「ねー佳主馬、花火やらない?」
「……やる」
おおー、さっき荒々しく怒ったからかやけに素直だ。部屋を散らかしたままスマホだけポケットに突っ込んで立ち上がる。いつもこのくらい素直だったらいいのに。それだったら佳主馬が何考えてるか今よりわかりやすくなるし、佳主馬が思ってることを汲みやすくなる。わたしだってできるだけ佳主馬と同じこと考えていたいし、佳主馬のことは何だって知りたいって、思ってるんだから。
「ほら」
「あ、うん」
差しのばされた左手を少し戸惑いながら取って、手を繋いで歩く。って、こんな昼間から花火できる訳ないのに。そうこうしているうちにどんどんと縁側を進んで行ってしまう。
「ねえ、何処行くの?」
「花火、買いに行かなきゃないでしょ」
「そういえばそうだった」
ああこれ、デートじゃん。そう気付いて嬉しくなって握る手にきゅっと力入れたら握り返されて。こういうの、恋人同士みたいで、恥ずかしくて、嬉しいやつだ。
「車で行かないと、時間かかるよね……」
「でも日が暮れるまでに帰ってくれば大丈夫でしょ」
さ、行こ。なんて言うから、うんとしか言えなくて。夏希ちゃんもチビっ子達もいるし、多分理一さんも1、2本やるとおもうし、侘助さんも「めんどくせぇ」って言いそうだけど無理言えばやってくれると思うし。ということは沢山の花火が必要だ。いっぱい買わなくちゃ。打ち上げ花火もしたいし、勿論ネズミ花火みたいなのも。
「楽しそうだね」
「そりゃもう!」
□□□□ ふぉあー!遅くなりました!ほんとにごめん!言い訳だけど私生活が(以下略)ちょっとだけ進んだ?かな?ではではまみやんにバトンタッチ!
碧子
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