「名前ー。……名前?」
(返事がない。部屋かな)
「よし、お土産は駅に着く前に買うとして、これはここ…」
「名前いるの?開けるよ?」
「佳主馬?」
荷物の整理をしていればいきなり開いた部屋の戸。
あたしが何をしているのか一瞥してちょっと無表情になる佳主馬の顔。
「…何してんの?」
「何って…帰る準備?」
「名前帰るの?」
「だってあたしの学校休み少なくて」
あたしの学校は東京だ。 佳主馬とはまあ一応すぐ会える距離でもないし、ましてやお互い学生だ。 無理もある。
「なんで短いこと言わなかったの」
「楽しかったから忘れちゃってた!」
どうせ、OZでいつでもあえるし……ね。 そう言って佳主馬を見上げればちょっと何とも言えない顔。 なんか怒ってらっしゃる。
……え?怒ってらっしゃる???
「なんでそんな一言で片付けてるのさ」
「いやだってほんとにそうだし」
「まあそういうやつだって知ってだけどさ…」
はあ、とかため息をつかれてもわけがわからない。
「ごめん?」
「僕のことどう思ってるの?一緒にいたいと思わないの?」
「うえっ?だってここで過ごした夏休みは全部佳主馬に捧げてましたけど?!」
「それ以上にだよ!早く帰るってわかってたなら片時も離れないでずっと一緒にいた!」
「えっと…」
「寝るときも名前が何してようと僕は黙ってそばにいた!いい、僕も帰る。名前いないとつまらないし名前と一緒に帰る」
ぴしゃん、と言い放ってドタドタと佳主馬は自分の荷物の整理に行ってしまった。
な、なんだったんだ一体。
あたしは大層な告白でも受けたかのような気持ちでいっぱいです……。
20130720
大変遅くなりました。 ふむ。いつ完結するのかも考えなければですねとおもう。
佳主馬と夢主はあれ? 最初からくっついてる設定なのか? あれ?でも言わなくともきっと両想いなのかなと。
佳主馬、やけくそになって告白はダメだよ。
間宮
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