「聞いてよ佳主馬!今や8月も終わろうとしていてニュース番組じゃ街頭で小学校達に『宿題は終わった?』なんて聞いてるのに蝉はまだ鳴き喚いてる!暑い!」

「うるさい」

 いつものウザそうな顔でまたいつもの言葉が出た。佳主馬ってば口開けばいつもこう。これしか言わない。

「佳主馬はいつもうるさいしか言わないよね!なんなの!?馬鹿の1つ覚えなの!?もっと別の言葉でも言ってみたらどうなの!」

「Shut up!!」

「!?」

「静かにして。ただでさえ暑いんだから」

 急に発音の良い英語が飛んできて驚いていると見事に黙らされてしまった。くそう、佳主馬の癖に。ていうか佳主馬、何でそんなに発音良いの、何かしてたっけ?いや、何もしてない筈。ていうか何も聞いてないもん。わたしも侘助さんに指導してもらおうかな、でも侘助さんは多分、というか絶対やってくれないな。めんどくさがるもの。
 しっかしあっついなー。なんだか食欲もわかないし、夏バテにでもなってしまいそう。そうめんとか、スイカとかばっかだもんな、食べてるの。あ、あとアイス。

「ああああああー」

「だから静かにって、」

「せんぷうきがあああ」

「……」

「ワレワレハ、ウチュウジンダあああ」

「扇風機で遊ぶのやめて」

「じゃあ佳主馬なんか面白いことしてよ」

 扇風機に向かって喋るの楽しいのに。やらないなんて佳主馬絶対損してるよ、これは一夏に一度はやっておくべきだ。
 チリン、と1つ、風鈴が鳴った。蝉なんかが鳴くより風鈴が鳴った方が何倍も何十倍も風情があって涼しいのに。しかしアブラゼミさんは何とかならんのかね、ジジジジって映像受信してないテレビみたいな音出して!暑さと倦怠感が増しているのは結構な割合で君たちの所為なのだよ!

「今凄くアホなこと考えてない?」

「まさか!それよりも佳主馬、なんか面白いこと!」

「水浴びでもする?」

「海行ったのに?」

「じゃあハヤテと遊んでくれば?」

「遊ぶ前に日差しにやられる」

「じゃあ大人しくしてて」

 佳主馬はパソコンの電源を入れてOZへログイン。どうせまた仕事でもするのだろう。チリン、とまた風鈴が鳴った。気持ちばかりの風が吹く。もうすぐ休みは終わろうとしている。



□□□□
はい!またまた遅くなったよ!なんていうか、私は遅刻魔のようですね!(何が)
もう日も長くなってきたし、気温も上がってきたし、春がきましたね…というわけで、夏を終わらせようと思ったのであった。
まみやんよろしくー!

碧子


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