「海の匂い…!」

「そうだね」

 だれてしまいそうな暑さの中、砂浜から海を見た。太陽に照らされてきらきらと輝いている。海なんていつぶりだろう。
 2人して大きな荷物を持って、バスを乗り継いで海へ来た。夏だし、暑いし、浜辺は人で溢れてる。もう少し人が少ない方がいいんだけどなあ。佳主馬は人が少ないところを探し当てて、パラソルを射している。
 家から水着を着てきたから服を脱いでさっとパーカーを羽織った。前に夏希ちゃんと水着を買いに行ったときに、夏希ちゃんに激推しされて買ってしまった、ビキニなんだもん…流石にこんな肌の露出多いのでいれないし!焼けるし!夏希ちゃんはそりゃスタイルもいいしビキニだって似合うけど!わたしは…なんていうのも後の祭り。

「あれ、佳主馬」

「なに」

「タンクトップ脱がないの?」

「脱いで欲しいの?変態だね」

「ち、ちがうよ!ただ脱がないのかなーって、思っただけだし」

「そういうお前こそ、パーカー脱がないの?」

「脱がない!」

「はい、じゃあ海行こう」

「え、ちょっと!」

 牽制するわたしの声なんかには目をくれずに腕を掴んで海へ走り出した。家にいるときとは比べものにならないくらい、アクティブだ…。
 と思っているのも束の間、浮遊感に襲われた。え、わたし投げ飛ばされた?この細い腕のどこにそんな力が…

「うぇっ、げほっ、」

「全然女の声じゃない…」

「誰の所為よ!」

「僕の所為?」

 はあ?と言いたそうな顔で、わたしを見てくる。なんか佳主馬生意気なんだけど。

「えいっ!」

「ごほっ、」

「わたしに勝とうなんざ百年早いわ!」

「っ、何すんだよ!」

「海に突き落としてみました」

 海の中で尻餅をついている佳主馬がわたしを見てくるからちょっと上目遣いになっていて、これはかわいい、かもしれない。髪もわたしが突き落とした所為で濡れてるし…ってわたし何考えてるの!

「なんか変なこと考えてただろ、今」

「は、え!?そんなことあるわけないし!?」

「怪しい…」

 怪しくなんかない怪しくなんかない全然。わたしは純粋なおんなのこだもん変態な佳主馬なんかとは全然違うもん。
 そんなことを思いながら海の冷たさで火照った頬を冷やした。


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ほんっとうにごめんなさい!(スライディング土下座)遅すぎですよね、うん…本当にごめん…謝っても謝りきれないけど…夏に始まったのにもう冬だよ、年明けるよ…どんだけ待たせたの自分_ノ乙_(、ン、)_本当にすみませんでした。まみやん、次頑張ってくれ…(白目)

碧子


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