お祭りの最後はやはり花火だと思う。上田わっしょいの花火は、私が見てきた花火で一番規模が大きくて、綺麗だ。その花火まであと少し時間がある。さて何をしようかと佳主馬が取ってくれたキングのぬいぐるみを抱き直した。当の佳主馬は「ジュース買ってくる」と屋台の方へ行ってしまった。私を放置して。



「どうせなら連れてけってのー…」



ねーキングー!と喋りもしないもっふもふのぬいぐるみに話しかけた。答えはもちろん返ってこない。あーあー、早く戻ってこないかなぁ。人気があまり無いこの場所で一人というのは中々怖かったりする。近くには屋台が並んでるから、わりと明るいけど。それでもやはり一人は嫌だ。しかも夜(まだ少し明るいから夕方?)はお化けとか出そうだし。あ、そういえばこの近くにお化け屋敷あったっけ。花火まで一時間ぐらいありそうだし、行ってみようかな。



「いたいた」

「あ、佳主馬」

「はい、あげる」

「りんご飴だ!ありがと!」



渡されたりんご飴がキラキラと光って見えた。まただ。佳主馬が優しい。あと、さっきから機嫌がいい。彼氏がうんたらかんたら言われた射的の時から。もしかして彼氏彼女に見られたのが嬉しかったのかなぁ…。りんご飴をかじりながらじっと佳主馬を見た。



「……なに」

「なんでもなーい」

「ふぅん」

「ねぇねぇ佳主馬」

「ん?」

「お化け屋敷、行かない?」

「…眠れなくなっても知らないよ」

「だ、大丈夫だもん…!」



お化け類が苦手な私だけど、ほら、見ちゃいけないって言われたら見たくなるあの原理と一緒で、行きたくないけど行きたいみたいな。



「ほら、」

「へ?」

「お化け屋敷、行くなら早く食べなよ」

「あ、うん!」



目を細めて余裕そうに笑う佳主馬が何故か色っぽく見えて、顔から湯気が出そうになった。佳主馬はついに色っぽさを手に入れたのか…!



****
なんでこう、私が書く佳主馬はキャラが迷子になるかな…!ぶれまくりですいません。爆発して一から修行してきます。
それじゃあ碧子さんよろしくです!

20120826 青谷


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