本当に信じられないと思う。勇気を振り絞って誘ったわたしをことごとくスルーした佳主馬の一言に、現実を見れないでいる。
だってさ、あんなに勇気振り絞って誘ったのにさ!佳主馬は簡単に「行くよ」ってクールに切り返してきてさ!
まるでわたしが馬鹿みたいじゃん。こんなくそ真面目に勇気出して大好きな大好きなかわいいかわいいかわいい佳主馬を振り向かせようとか。わたしのものにしちゃいたいとか。(いや、そこまでは考えてないけど)
なんかいろいろ考えてたらお腹空いてきたな………あ!
「佳主馬!あれ!あの射的!!やりたい!」
「射的?…………名前がするの?」
「なにその『できるの?』みたいな目は!」
「べつに。……やるんでしょ、ほら行くよ」
いまだ繋がれていた右手をぐいっと引っ張られて一段と近くなった距離に恥ずかしさを覚え、それでいて嬉しかった。
私が見つけたのは射的の景品であるキングのぬいぐるみだ。 OZでは売ってないやつなんだろう、今まで見たことのない愛らしい表情をしていた。
「おじさーん!はい、お金」
「おー譲ちゃんがんばれ!!」
「絶対当てるぞー!」
意気込んで挑戦してみたものの一回分の10発中、8発打っても当たらない。
「何、キングのぬいぐるみ目当てなの?」
「あったり前じゃん」
「そんなのいくらでも僕が試作品もらって…」
「これは、自分でとりたい。OZで見たことないもん」
だってもらえればそりゃあ簡単だけどさ、苦労して取ってこそのキング。あれ、自分でもよくわかんないや。
「そんなに欲しいの」
「うん」
「……貸して」
「え?あ、うん」
佳主馬に言われるがまま、残り2発となったそれを渡す。 コルクを詰め、狙いを定める佳主馬の横顔に、これでもかって位どきどきして、佳主馬が息を少しだけ吐いたかと思うと既に狙っていたキングは落ちていた。
「はい、欲しかったんでしょ」
「あ、ありがとう佳主馬!嬉しい!」
やるなあ彼氏〜。とか射的のおじさんに言われて慌てて否定したけどなぜか佳主馬はそんな素振り見せなくて、あれ?っておもったけど、佳主馬がわたしのためにとってくれたキングが何よりもふもふしてて暖かかった。
------------ 遅くなってすみません! お久しぶりです間宮です。 短い休暇も終わり、実家から帰ってきたわけですが、コナンに今きてまして(笑) 頭の中がコナンだらけです。 そしてデュラ11巻も早く読まねばならんです。 射的かいてて楽しかったんですが、お化け屋敷も書きたかった…無念。
次、青谷さん宜しくお願いします!
20120820
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