「駄目だ…」
一度目が覚めてしまってからというものなかなか寝付けなくて、みんなが起きてくるにはちょっと早い時間だけどもう起きることにした。どうせ布団の中にいたって眠れないんだし。と言ってもすることがないんだよなぁ。 男の子より女の子の方が成長が早い、なんて言うけど、本当かな。確かに身体とかは大人になっていくのは女の子のが早いかもしれない。けど、佳主馬って他の男の子達と比べて大人っぽいし、わたしよりもずっと先に大人になっちゃうかもしれない。それも、近い将来に。
「…はぁ」
深く溜息をついた。どうせ近くには誰もいないし聴いてやいないんだから。 もし、佳主馬がわたしよりも先に大人になっちゃって、わたしなんか置いてけぼりで、わたしのことどうでもよくなっちゃったらどうしよう?佳主馬が他の人のところへ行っちゃったら、どうしよう…
「佳主馬っ!」
ただ1人で考えてるだけじゃ何もでなくて、だったら直接佳主馬に言いにいけばいいじゃないか!わたしが佳主馬を1人で先に行かないように繋いでおけばいいんだって気付いた。きっと佳主馬はまだ寝てる。それでもいい、起こすまでだ!わたしは小走りして佳主馬の寝室に向かった。
「佳主馬、佳主馬」
「うーん…」
「佳主馬起きてー!」
「…名前?」
「うん。起きて」
「夜這いしにきたの?」
「は!?そんな訳ないじゃん!外見て!もうこんなに明るいから!」
「で、何?」
「何って…」
どうしよう。いざ言うとなるとそれはそれで勇気が必要で…あああもう!数分前の自分呪いたい!何で何も考えずに来ちゃったの!
「どこにもいかないよね?」
「何が?」
「佳主馬が」
「僕はここにいるよ」
「…そう」
「僕まだ眠いから」
「へっ、ちょっと!」
わたしの腕を引っ張ってわたしも布団の中に強制的に入る形になってしまった。動こうにも佳主馬ががっちり掴んでいるから動けないし、抗議しようにも返事は返ってこない。でもいいか、なんだか今度はゆっくり眠れそう。
夜が溶ける
□□□□ いやはや、こんな感じで二周目です!他の人の出演率少なっ!殆ど1人で考えてるだけですね、はい。まぁそんなときもある。ではではまみさん次お願い!
碧子
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