「あっつー…」



もうちょっと涼しくなってから散歩に行けば良かったかも、そう思いながら汗を拭う。
隣を歩くハヤテは尻尾をぶんぶん振りながらこちらを見ている。うちのハヤテが世界で一番可愛いのではなかろうか。



「よしよし」

「ワン!!」

「あ、こら!」



遠くに向かって吠えたかと思うと、吠えた方に向かって走っていってしまった。うわ、もうあんなとこ!?あああ、それより早く追っかけないと…!



「ハヤテー!待ちなさーい!」


***


「う、っぷ」



今日の夜ご飯なんだろうって考えながらハヤテを追いかけてたら吐きそうになってきた。うえ、お昼ご飯リバースしそう。気持ちわる…。既に夕方になりかけているのに、じりじりとコンクリートに反射する太陽が眩しい。数メートル先では陽炎が起きている。



「ワン!」

「ん、ハヤテ…?」



汗を拭いながらぼうっと先を見つめれば、ハヤテと二人の人影。よく目を凝らして見ればあれは多分、聖美さんと佳主馬。
あ、佳主馬がハヤテのリード持ってる。珍しいなーなんて思いながら駆け寄った。



「久しぶりね、名前ちゃん」

「お久しぶりです。佳主馬も久しぶり」

「うん。……これ」

「あー、こらハヤテー」

「くぅん…」

「う、私が悪かったよ…!」

「犬にもなめられるって…」

「な、なめられてないから!」



久々に会ったのに相変わらずな佳主馬に変わらないなーなんて思ってたら、聖美さんが微笑んでて、それに釣られて私も笑ってた。



陽炎と共に

****

佳主馬くんがハヤテのリード持ってたら可愛いと思うの。
はい、次の方にバトンタッチ!

20120716 青谷


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