久しぶりに友達とカラオケに行って、気分もいいからかもしれないが、足取りが軽やかなのには間違いない。
周りからもそう見てとれるはずだ。それくらい今のわたしは気分がいい。


「あー」


ちょっと歌いすぎたかもしれない。はっちゃけすぎたかもしれない。テンションあげすぎたかもしれない。喉が、痛い。



わたしは鶴原つばさ。いたって普通の女子高校生だ。ちなみに年は18。三年生である。今の時期は進路もどんどんと決まっていく人たちが出てきた。かくいうわたしも専門学校にAOで合格した身だ。

受験までは中間が被ったりなど苦痛の毎日だったけど、今では解放された生活を送りまくってる。

今日もカラオケでぶっちゃけた話、アニメ系しか歌っていない。わたしは、うん。アニメとか漫画とか、とりあえずそういった類いが大好き、である。とひとくくりにまとめてもらって構わない。本当のことだから。


「アニエクーっ」


しまいにはスキップになる勢いなわたしは、今日放送されるアニメ、青の祓魔師を見るのが日課である。きちんとBDに録画してある。DVDにもダビングした。完璧。何回も見るだけだが、わたしにとってはオアシスなのだから。


やっと家の前に着き、鞄の中から鍵を探す。手探りで当てて、それを家の鍵穴に挿して回した。

早く、アニエク始まっちゃう!

戸を開けて勢いよく入ったところは、





「なんだここ、オンボロ寮?いや、幽霊廃館?」





見慣れない場所。


「間違えた。帰ろう。おじゃましまし――え、」


振り返ると戸は閉まっていて、開けて帰ろうとすれば、これまた見慣れない外だった。さっきわたしがきた場所と違う。


「どこですか、ここ」


しかも気のせいだろうか、少しだけ薄暗くないだろうかかかか。怖くはないんだ、こ、こわくは。








「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -