02
今年の夏も陣内家。大おばあちゃんの誕生日会。あの人数は苦手。大体多すぎなんだよ、うちの家系は。
「佳主馬ーっ、早くしなさーい」
「今行くー」
スポンサーからのメールがあと数通あるけど、このままだと置いていかれる。それはさすがに嫌だ。本当は別にいいけどね。
目的地に着いて、おばあちゃんにあいさつ。そして僕は直ぐ様納戸を目指す。とにかく早く早く。
(パソコンパソコン……)
早足でついて勢いよく戸を開けた。
(え、誰)
知らない男子がいるから驚いた。あれ、こんな人親戚にいないよね。僕の名前知ってたけど。とにかくこれは不法侵入というやつ。僕は携帯を取り出し連絡しようとした。
(警察……警察……)
『ま、待って!!』
待ってと言われても、足を掴んでるその勢いが怖い。凄い涙目で訴えてる。
(ああ、もう)
「わかったから。言わないから。だから離して」
『ほんと?!佳主馬優しーっ!!』
この人一体誰。
(佳主馬は佳主馬だね、)(一体どうしようか……)
prev / next