01
『痛っ……』
キーンという独特の痛さに耐えるように目をしかめる。アイス食べてキーンってなるって年か、オレも。とか何とか思ってしまう自分。
まだ7月26日。あ、でも真夏か。そりゃ暑いわな。扇風機の前でぐーたらしながらアイスを食べる。ま、基本的オレは適当とめんどくさいで出来てるから、動く方が珍しい。
今日もいつもと同じ朝だった。
♪〜
……と突然鳴り出す携帯。(一瞬アイス溢すかと思った)そして鳴った携帯は放置。これもオレの性格。基本的放置プレイ。これ、覚えとくよーに。
(ってあれ、誰に言ってんだ、これ)
最後の一口を口の中に入れて、手を伸ばして取ったのはサマーウォーズのマンガ本。佳主馬に会いたい、とてつもなく。
するとまた鳴り出した携帯。いい加減なんなんだ、とメールを見た。(……OZ関係者より……?)OZ……?OZって、え、これ?
今手にしてるサマーウォーズに出てくるやつだよね。どーしてそんなのからメールが来るの?大体存在しないよ、OZは。
おそるおそるメールに貼ってあったURLをクリックし、リンクに飛んだ。
……そう、リンクをクリックしただけ。
『ンなっ!!ここ何処?!』
薄暗く狭い部屋。周りは本などで埋め尽くされている。そして一つ置かれた机。ポツンとそこに座っている自分。
(まじでここ何処だよっ!?)
しかし見たことがある。どこかで見た。思い出せ……ここが何処か。うーんうーんと頭を悩ませていると、ガラッと戸が開いた。
(やばい、今きちゃだめだろーっ)
明るい光が入ってきたところを見てみると、一人の少年。中学生くらいの。あれ、でもこの少年も見たことがある。……ってあれ、あれれ??
『……池沢……佳主馬……?』
「……っ何で僕の名前知ってるの。不審者……」
今日はいつもと違う朝だった。
(警察……)(待って、ダメっ!!お願い、待ってーっ)(分かったから足掴まないで。怖い)
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