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佳主馬がどんどん迫ってきて唇が触れ合ってから数分。
佳主馬は少しの間軽く唇を触れ合わせてから少し顔を離してオレを見つめてくる。そうしてまたキスしてくる。それの繰り返し。
(なんか、)佳主馬、キス魔なのかなってくらいの勢いだ。
オレ佳主馬好きだよ。だいすきだよ。だけど会って間もないのになんでオレなんかにキスするの?
佳主馬ほんとに何考えてるの??
『ねえ、かずま…さすがにハズい……』
「!」
少し離れた隙になんとか佳主馬を制して抗議したら佳主馬は人が変わったように目を見開き、わたわたと顔を真っ赤にして慌てだした。
(あんなにちゅーしておいて慌てだしたよ佳主馬のやつ)
「ごごごごごめんっ……!!」
佳主馬ははっとしたようにオレから後ずさってひたすらオレに謝った。
なんかあからさまにそうやって謝罪されると自分がずっと佳主馬とちゅーしてたなんて忘れてしまう。
ただあの時は佳主馬が男の子じゃなくて男の人に見えて、少しだけだけど、怖かったのは本当だ。
佳主馬が好きで、なんとも偶然で必然的で、物理的にありえないトリップを遂げたオレが、その大好きな佳主馬とキ、キス、してて………。
ボボボッと音を立てたかのようにオレの全身の熱が上がり、顔に集中していく。
かかかかかかずまときっす…!!
『も、むり…………』
「え?え?名前さん?」
夢と現実が混ざる前に
(ごめんおねーさん色々とキャパオーバー……)
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