25
さっきから近づく佳主馬との距離に言葉が出ない、体が動かない。オレの全部の時間が止まった。
だってオレ、こんな距離同性も異性も味わったことねえよ。(とまれ、佳主馬、とま、れ)心臓が大きく波打つのがわかる。
佳主馬は、何、考えてるのかな。
そんなこと考える余裕なんかないのに、頭の中ではそんなこと考えてるし、自分が自分でもよく分からないくらいパニクってる。
『………っ』
うっ、と目を瞑ったとき二つの影が重なった。
『んっ、』
ねえなんで、佳主馬、オレなんかに
キス、してるの。
この感触は夢じゃない
(ん……(名前さん…。)もっと………)
prev / next