夏戦 | ナノ


17


目の前の光景に叫ぶ健二くん。自分だけが正体知ってたなんて言えない。(得してるのか損してるのか……)すっげぇ複雑な気持ち。


確か、カズマといえば公式スポンサー18社ついてるんだっけ?キングって肩書きだけでこんなにもすごいのか…。ま、俺は頑張るカズマのが好きだし、それ以上に立ち向かうあの小さな背中が好きだし。


「佳主馬くんて中学生だよね?」

「話しかけないで。集中できない」


健二くんに一喝している最中もキーボードを打つ手は止まらない。それを見逃さないようにしっかりと手元と画面を見る。(ShiftキーとCtrlキーでも応用できるのか……)


これからオレにできること、それだけを考える。







....★


一方的にやられていた偽ケンジ。でもいきなり体を揺らしながら{シシシシ…}と笑っている。それに気づいた佳主馬。




 「奴の様子が変わった…」



偽ケンジは何を考えているのか分からないような目で1点を見つめている。そしてテケテケと周りにいたアバターの元へと歩いていく。
 「逃げて佐久間!」
    
 「おいおい、なんだってんだ」


よくわけが分からないまま寄ってくる偽ケンジから離れようとした。まあ、そこまでは良かったんだよ。そこまでは。(よし、スタンバイOK。絶対助けてやる)



偽ケンジはサクマの隣にいたアバターを……

 「(食った!!)げ」
 『あんなに口って開くもんなのか?』

カズマが再び戦闘体勢に入った。そしてあの不気味なケンジの笑い。


{シシシシ…}


そう聞こえた瞬間、後ろに円のようなものが現れた。(観音様?)バリバリという音と共に偽ケンジの中から何か。



  「「!!?」」『うわぁ…』




「な…っ、こいつ……何?」









チャームポイントはハートマーク







((そろそろOZにログインするかな……))役に立てよ、オレのタイピングと記憶力。

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