夏戦 | ナノ


15


『大体分かった。もういいよ、佳主馬』

「あといいの?」



ある程度の操作を教えてもらった。
多分これから少しずつ弄って技が出来てく。よし、ぶっつけ本番でいいや。


『佳主馬の見てるよ』

「僕これからOMCする予定ないけど」

『ああ、そうだった』


(でもね、佳主馬)するんだな、これが。
っていうかいつの間にか健二くん進んでるし。




....★

なぐられる。なぐられる。
仮ケンジが殴られ続けてる。このときの仮ケンジは凄く可哀想に見える。
(同情してる場合じゃない。佳主馬が、カズマが来るから、タイピング見てないと……)
パソコンを穴が空くか、ってくらいガン見する。



{こんな……っ}


....★




「こんなことして何が面白いんだよ……!!」

OMCに関して皆無な健二くんは何することもできず、キーボードを打つ手は止まり、画面に向かって叫んでいた。
ごめん、健二くん、オレ、まず見てるだけしかできない。
(だから)

『頼んだ、佳主馬』





横から伸びる焼けた肌をした腕




「ディフェンス!何やってんの、かして!」

(ああ、佳主馬。オレ、傍にいるから。だから)


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