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『大体分かった。もういいよ、佳主馬』
「あといいの?」
ある程度の操作を教えてもらった。
多分これから少しずつ弄って技が出来てく。よし、ぶっつけ本番でいいや。
『佳主馬の見てるよ』
「僕これからOMCする予定ないけど」
『ああ、そうだった』
(でもね、佳主馬)するんだな、これが。
っていうかいつの間にか健二くん進んでるし。
....★
なぐられる。なぐられる。
仮ケンジが殴られ続けてる。このときの仮ケンジは凄く可哀想に見える。
(同情してる場合じゃない。佳主馬が、カズマが来るから、タイピング見てないと……)
パソコンを穴が空くか、ってくらいガン見する。
{こんな……っ}
....★
「こんなことして何が面白いんだよ……!!」
OMCに関して皆無な健二くんは何することもできず、キーボードを打つ手は止まり、画面に向かって叫んでいた。
ごめん、健二くん、オレ、まず見てるだけしかできない。
(だから)
『頼んだ、佳主馬』
横から伸びる焼けた肌をした腕
「ディフェンス!何やってんの、かして!」
(ああ、佳主馬。オレ、傍にいるから。だから)
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