「あっちゃー、それもう立てないでしょ?」

「…どう……、し…て」



あんなにもドラゴンに勇敢に挑んだ13班のリーダーとは思えない位に、

゙弱い゙

こんな奴がリーダーならいっそ僕が奪ってしまおうか。
事の発端はそんな思いからだった。


ナビの電波が届かない場所にリーダーを呼んで背後からズドン。意外に呆気なかった。



「ねぇ、わざわざ死にに来たの?アンタ」



そこまで馬鹿ではない事は知っている。
だから呆気なかったのだ。
こんなにも仲間に気を許しているリーダーは、隙がありすぎる。



「……す、れい……っ!」



膝立ちの状態で手を着きながらも尚、僕を見てくるその紫色の目。
絶望にも恐怖にも染まっていない。
寧ろ困惑している目だ。



「片足だけで済んだと思ったら大間違いだよ、僕はアンタを殺したいんだしね」



再び銃口をリーダーへと向ける。
狙うは、勿論もう片方の足。



「ま…まて……っ!」

「待たない」



ズドン。



僕がそう言った後に、容赦なく撃ち込んだ。
途端に響き渡る悲鳴。



「ぐぁ゙っ!!」



流石に両足を撃てば膝立ちは辛い様で、遂に地面に突っ伏したリーダーを僕は面白い物を見るようにして近寄る。

リーダーと言えども所詮は人間。ホント、呆気ないな。



「あっはは、ねぇ今の気持ちは?やっぱ辛い?」

「ぐ……っ」



痛みを堪える為なのか、服の袖を噛んでいて返答はなかった。

その姿が、いつものリーダーとは思えない位に弱々しくて笑えてきてしまう。それと同時に何とも言えない優越感に包まれていた。

あぁ、これで撃ち殺したらどんなに気持ちが良いんだろうか。



「ねぇ、次はどこ撃ち込んでほしい?頭、体……あ、心臓なら一発だねぇー?」



端から見れば狂った人に見えるだろうが、どうでもいい。
ドラゴン狩りよりも面白い物を見付けたのだから。

銃をくるくる回しながら、倒れたリーダーの体を踏みつけてみる。



「……っ!!」



息詰まった声が服の袖と口の間から漏れる。



「僕さー、最初はアンタを一気に奪っちゃおうかなとか思ったんだけど……気が変わったよ」



話を聞いている余裕はないと思うけど、一方的に話を続ける。



「アンタの悲痛に歪む顔とか声とか聞いていたら面白くなっちゃってさー」



いや、面白いと言うよりは快感に近いんだろうな。
少しばかりゾクゾクしている僕がいる。


ねぇ、だからさ。



「ねぇ、リーダー」



痛みに堪えるその声と顔をもっと僕に見せてよ。



「一気に痛むのと、じわじわ痛む方。……どっちが良い?」



そんな選択を迫りながら僕は足にグッと力を入れ、顔を覗き込む。



「…う…ぐ、……っ」



当然、答えにならない声が返ってきた。

チラリと足の方を見れば止めどなく血が溢れ出ている。



「……ま、多量出血で死ぬのは時間の問題かなぁ」



そんな事を呟けば、リーダーは顔を青ざめながら僕を見上げていた。
今度は恐怖に怯えた目になっているのを確認して僕は笑う。



「だーいじょうぶ。僕がじわじわど殺しであげるから」



だから勝手に死ぬのは……、許さないよ。




(銃は簡単に命を奪えるから、加減が難しい)
*************

ある意味でサディズムになってしまったスレイ。

色々と…狂ってます。
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