ネコパーカーその2
2014/06/07 19:53

もしもサイキックになったダランが着たら。



───────


あはっ、これを渡すなんてネコも意地悪だねぇ…。

こんな…こんな物を僕に…。


「全く、猫耳はサハラが似合うのに…」


僕はぽつりと呟いて、ハッとする。
これはもしや、チャンス?
ネコは僕にチャンスをくれたのかな?


゙サハラにアタックしろ゙というチャンスを…?


「なぁんだ、それなら喜んで着ないとね」

僕はこれからの事を考え、顔をニヤけさせながらネコから貰った服に袖を通した。





「サーハラ」

「うわぁ?!」

サハラを見付けたので背後から勢いに任せて抱き着けば、少しよろけながらも倒れる事はない。
それを良い事に僕は更にギュッと抱きしめる。
あぁ、猫って良いな。
普段ならこんな風に抱き着いた事はないし。

「ん〜、髪サラサラだねぇ」

「わ、な、何して…、……!?」

「イイ匂いがするよサハラ」

少し匂いを嗅げば風呂上がりだったのか、爽やかなシャンプーの匂いがした。
サハラにピッタリな匂いで僕は更に匂いを嗅ぐ。
猫が鼻をヒクヒクする様にしながら。

「…や、止めろよくすぐったいな!」

でもそれが嫌だったのかサハラは腕の中で暴れだした。
あぁ全く、もう少しこのままでいさせてよ。今は僕だけの特権なんだから。

「…離せってダラン!」

「もうちょっと、ね」

「今すぐ離せ!」

「やーだ」

ニコリと笑えばフードの耳がピコピコ動くのが分かった。
それを見たのかサハラは顔を真っ赤にしているしあぁ、可愛い。

まぁ、赤くしているのが僕に対してじゃないのは後から気付いたけれど。


「……お前ら、何してる?」

「うわっ…ヒムロ!……さん」


場を読めない部外者が来たからだ。
サハラは人の気配を感じて顔を赤くしたらしい。

「…変な奴に好かれてるな、サハラ」

「変な奴じゃないよ失礼だなぁ」

僕は若干呆れている様子のヒムロに向かって、消えてよと言えば意外な反応が返って来た。

「…いや、サハラが嫌がってる…見逃せないな」

「……!!」

「ヒムロさん…!」


あれ、おかしいね。
邪魔者が増えちゃったみたいだ。

このパーカーには敵を増やす効果が付いてるのかな。
全く…敵が多くて困るよ。

「…ふふ」

僕はヒムロを見ながらサハラを更に強く抱き締めた。


残念、渡さないから。





(ダランは嬉しい時に動くみたいです。
とりあえずヒムロを出してサハラの救出を…)

category:思い付き



戻る





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -