受け流すリーダー
2014/06/18 22:43

もしもリーダーが受け流すのが上手かったら。



───────



「サハラー、ぎゅーしよ」

「断る」

「えぇー」

「そんな格好して拗ねても気持ち悪いたけだぞダラン」

そう、今のダランの格好はにゃんパーカーを身に付けている。
抱き付かれても困るだけだ。

と言うかぎゅーって何だぎゅーって。
餓鬼じゃあるまいし。

「サハラー、僕ぎゅーしたい」

何か言ってるけれどスルーしよう。そうしよう。
きっとダランは疲れてるんだ。

「…あ、ヒムロさん!お疲れー」

「あぁ13班…、…どうした、それ?」

「きっと疲れてるんだと思うから、ヒムロさん気にしないでいいよ
多分明日には治るし」

「酷いよサハラー」


ヒムロがダランを見て若干引いているのが俺には分かった。
だってダランは床にゴロゴロしながら駄々をこねているんだし仕方ない。
いや、駄々と言うよりはワガママ…?

とりあえずそんなダランをほっといて俺はヒムロの側に近寄って10班の現状を聞いてみる。

「ヒムロさんの班はどう?あの新人達と上手くやれてるのか?」

「そう…だな、まぁまぁと言った所だ。
手のかかる新人で鍛え甲斐があるぞ」

「へぇ、じゃぁ戦線に出すのも遠くないんだ!
俺、ヒムロさんと共同戦線楽しみにしてますよ!」

「おいおい…俺はサポートだけだ、戦線は新人達だぞ」

こうして俺とヒムロが二人で楽しく会話をしていると、割って入ってくる者が一人いるのが当たり前で。

「僕の事も構ってよサハラー」

ダランが後ろから抱き付いてきた。
猫の耳がピコピコ動いている。

「そんな奴より僕と話そうサハラー」

にゃんパーカーのせいか色々と変人になっている気がする。
絶対にそうだ。


「あ、そうそうヒムロさん、ドラゴン倒したという話を聞いたけど…」

「…後ろのはいいのか?」

「ヒムロさんは無視して下さい。見えないモノだと思っていればいいし」

うん、気にしたら駄目だ。
何かグスグス後ろから聞こえるけれど俺はなにもしてないぞ。

「サハラ構って…」

「それよりも耳ピコピコ止めてくれよダラン。
頭に凄く当たるから」

「つ…冷たい!」


更にぎゅううと抱き締めてきて首がキツイ。


「だ…大丈夫か?」

「うーん…マモノ相手に慣れてるから大丈夫」

抱き締めるマモノなんかいないけれどまぁいいや。
とりあえず体鍛えてるから大丈夫大丈夫。

ぎゅううう。

まだ締め付けてくるダランに俺は苦笑いしながらもヒムロと話を続けていたら、いつの間にか消えていた。猫のように気まぐれになっているらしい。

後で気付いたけど、首には赤く痕が残ったから後でマデイラに治してもらった。




(……受け流すというよりはスルースキル?)

category:思い付き



戻る





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -