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「なんでだよ!俺の方が可愛いだろ!?」

「んー、ぶっちゃけ浩介以外の男興味ねぇ」


うっわあ・・・!

どうでもいいカミングアウトをされ、食欲が失せる
友人はポカーンとアホ面を浮かべていた
俺もそのアホ面浮かべるくらい呑気になりたい



「いや、俺より絶対その猿の相手の方がいいですって。絶対そっちのお相手も上手っすよ」


ハハハハとひきつった笑顔を浮かべると、肩に腕を回された
スルスルと撫でられる二の腕


「拙い奴をお世話しながらヤるほうが燃えるだろ」

「風紀委員長が言っていい言葉じゃねえだろ!!」


耳元で囁かれて、距離をとろうと肘で押す

くそ、こいつが先輩じゃなかったら投げ飛ばしてるのに
変態だ。ただの変態。


「お、おい猿、ほら、おまえにやるから、先輩の事どうぞ」

「えーしょうがねぇなあ」


しょうがないといいつつ満足げな猿
こいつイケメン大好きだからな、嬉しい限りだろ。


「大槻、戻るぞ」

「え、う、うん…!」


「えっ、ちょ、浩介!」


猿が先輩を捕まえている間にそそくさと逃げる
友人は周りの視線が気になってるのかキョドキョド周りを見てるがおれは堂々としていた

しかし


「おい」

出口にたどり着いたところで誰かに声を掛けられる
無言で後ろを振り向くと会長がいた


うわ。


「……なんすか」

「さっきはよくもやってくれたなぁ?」

「……ああ、防衛本能で足が出ました」


謝りはしない
だって、こいつも悪いし。

だいたい、会長の癖に赤髪ってどうなの?スタイルと顔いいから調子のってんの?
ピアスもジャラジャラつけて?
それだったらあの変態のほうがセンスいいわ。


「……ッチ、一旦ツラ貸せ」


舌打ちをした後、俺に命令する会長
大槻は怖いのか俺の裾をギュッと握ってる。……くそ、不覚にもキュンとしちゃったじゃねえか。


仕方なく会長についていく
連れてかれたところは男子トイレ



「…なんです………ッ!!!??」


男子トイレに入った途端、襟を強引に引っ張られ呼吸が止まった
近くなる綺麗な顔


な、なにこの状況!?




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