03




そんな事を思っていると、ある人影が駆け寄ってきて先輩に抱きついた



「侑真!!!こいつが俺のことぶったんだ!!!俺なにも悪いことしてないのに!!!」



あー・・・



うるせえ猿がまた復活しやがった
おまえのその声はモスキート音か、とツッコミたくなるようなキーキー煩い声と、泣き顔で言えば誰でも落ちると思ってるその計算高さ
男の泣き顔なんて引くわ普通。


……どうする、口に猿轡つけさせようか。それがいい気がする



「呼び捨てやめろっていってんだろー、あと敬語」

「そんなのどうでもいいだろ!!!こいつ退学にしようぜ!!」

「あ゛ぁ?」


思わず出てしまった声
なんで、俺が、退学に、されなきゃ、ならねえ。


「風紀乱してるおまえがよっぽど退学するべきだ。備品壊すわ授業潰すわうるせえし本当おまえが消えろ。だいたい俺だってこんな奴に敬語使いたくねえよそれでも使ってるのはな、一応目上の人だからだ。常識なんだよわかるか猿。ああ、悪い。お猿さんに失礼だったなあ。猿の方が頭いいよなあハハハ」



「お、俺は暴力で解決したりしないぞ!おまえの方が野蛮だろ!!」

「うーるせ。俺がこの学校で人を殴ったのはお前でまだたったの9人目だ。もう一発殴るぞ」

「こーすけ、やめたげろ。あと9人も十分多いわ。」


猿の襟引っ付かんでメンチ切ったら止められた



「おまえマジで暴力はやべーぞ。どうせやるなら誰も見てねえところでやれ。な?」

「それ風紀委員長としてどうなんすか!」

ナイスツッコミ大槻


「お、叔父さんにいいつけてやる…!お前なんて退学だ!!!」


うわあ、権力出されちゃった。
メンドくせ。
つか俺と理事長が繋がりあることこいつは知らねーんだろうな


「あー、どうせ退学ならお前のことタコ殴りにしていい?」


ついでに生徒会の奴等も。
坊っちゃんだから、みんな喧嘩よえーし。


再びネクタイをひっぱったらまた先輩に止められた

もー、なんなんだよ



「こいつを一発殴るたび、俺はおまえにキスをすんぞ。立てなくなるくらい深ぁいヤツ」

「オェ…」

「マジで吐きそうになってんじゃねーよ」


それはいやだ。
大人しく手を離す



「つかお前は今後やべえかもな」

「ん?」

「狙われんぞー生徒会の奴に」


そう言われてチラリとそちらの方を見やると確かにこちらをガン見してる
会長なんてすごい形相だ


「返り討ちにしてやりますよ」


鼻で笑うと先輩が変な顔をした

……なにその顔



「お前って本当イイよな…」

「は?」

「強気な所っつーの?こう…ねじ伏せたくなるっつーか」


熱のある目で見つめられてゾゾゾと鳥肌が立つ
そういやこいつSを苛めたくなる性癖もってんだっけ。キモイな


「じゃあこの猿どうっすか?こっちの言うことを聞いてくれないで俺らを苛めてくる相当なSですよ」

「お、俺、侑真ならいい…ぞ?」


え、きも、ノってんじゃーねーよ
上目使い潰したくなる。
えいっ、て。


「あー、俺最近浩介じゃないと勃たねぇんだよなー」

「・・・なんつった今おまえ」


ドン引きだわ。

もしかしなくても俺オカズにでもされてんの。
それともギャグか?キツいわその冗談



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