02
「いやー、はっは。ちょっと我慢出来なかったわ。どうだろ今後俺制裁されんのかな?」
「すげえなおまえ…ほんと…すげえわ…」
「ん、さんきゅ」
大槻に笑顔を向けてから飯を再び食べ始める
いや、でも俺今までよく耐えた方だよ
顔と家柄だけ良い生徒会のクソ共の猿を巡っての茶番劇を毎度見てみろ。砂吐くってレベルじゃないわ。つかなんでここでキスをするんだ。俺らまで猿の鼻にかかった喘ぎ声聴かなきゃいけねーんだぞふざけんな。んでもってそれにつられるかのような親衛隊のギャー音ね。五月蝿い五月蝿い五月蝿いったらもー。
しかし今は 俺の啖呵のお陰か大分シーンとしてる。
今の派手な行動のお陰で普通の学校生活は送れなくなるかもしれないけど、まあ別に構わない。
静かさが一番。最高。
…………しかし、そんな時間もすぐに終わりを告げた
「随分と派手にやっちゃったなぁ?さすが浩介」
そんな声とともに後ろから両肩をスルリと撫でられ、一気にさぶいぼが立つ
ぞぞぞ、と全身が粟立つこのやけに良い声は、奴のだ。
「……なんすか、先輩」
「ん?いや、浩介のフォローをしにな。」
「んなの要らないんですけど」
「ふ、風紀委員長っ!!!俺も道連れ食らうんでしょうか!!?」
……友人がチキンすぎて俺は恥ずかしいよ。
「こーすけぇ、ダメだろ友人巻き添えにしちゃあ。まあ、これでお前も脱平凡だな。どうする?いっそ俺の恋人になっちゃう?」
……脱平凡となんの関係があるんだ
つかバツゲームでだってこの男の恋人になんかなりたくねえ
呆れからくるため息をつき、先輩の手をペイッと払う
後ろを振り向くと、随分と男前な顔をした奴が憎たらしい笑顔を浮かべていた。
黒髪に、大人びた端整な顔立ちをしてる先輩。この学校の三本指に入るほどのイケメン具合は正しい評価であると言えよう
左耳についてる黒のシンプルなピアスは彼のセンスの良さを表している
この学校はホモばっかだが、この男も例外ではない。バイだそうだが、俺は男同士の恋愛なんてまっぴらごめんだね。
ちなみにこの学校の風紀委員長で俺の委員会の親玉。
以前ピアスについて指摘したら「俺を基準にして、俺よりだらしねえ奴を取り締まる」となんとも自分中心の話をしてきた
長のつくやつはみんな頭が沸いている。
「俺ははっきりと意見を述べただけです。公衆の面前でキスをするなって。風紀が乱れる。存在すら消えればいいのに」
「おまえ本当辛辣ね。」
「だから真実ですって。」
まあ口よりも先に手が出ちゃったんだけどね。気づいてたら気持ちいいくらいパーンていい音出てた。
平手二発と鳩尾一発。これでも大人しい方だ。
そんな事を考えていたらふと感じた自分の胸への違和感
目線を下げると俺のペッターンとした胸の上に男らしくて綺麗な手が乗っかっていた
「………なんでまた胸揉んでるんすか。骨折りますよ」
「えー、相変わらず不感症だな?たまには浩介の色っぽい声聞きたい。」
「普通、胸が感じる男は少数だ」
暇さえあればこいつは俺の胸を触りまくる。ガンッと肘を腹に入れると咳き込みながら「いてぇ」と笑った。頭おかしい。
こいつ曰く俺の胸を「開発中」らしい。ザケンナ。勝手に人の体弄んじゃねーよ
だいたい俺の無い胸触って何が楽しいんだ
……いや、こいつの場合俺が嫌がるのを見て楽しんでいるのかも。
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