02




「エドの今日の新作服楽しみだわー!」


母がウキウキしながら、そんな事を言う
俺としては、ゲッソリだ。


「母様…俺は地味なのでいいですから」

「なにいってるの自慢の息子よ?お洒落の最先端の服をきさせて注目の的にしたいじゃない」


そう言って見せられたのは今日のために作られただろう紺色の洒落たスーツ

若いからといって、このリボンは恥ずかしいものがある。


顔を真っ赤にしながら、うつ向いてると男性ものの靴が見えた
兄さんの靴だ。


「俺、15なのに…」

「可愛いよ。」

「似合わないよ……」


でもせっかく母様がオーダーメイドしてくれた服だ。
着るっきゃない。


「兄さんは、何着ても様になるから羨ましい」

「服が良いんだよ。エドは素がいい」

「どこがだよもう…」


もとって。
身長ないし、貧弱だし、顔も、なんか、男らしくない。

だから俺はいつもいろんな人に見られるんだ。
最悪。

いつもの癖で前髪を引っ張って目元を隠す
すると、兄さんが笑って俺の手を掴んだ


「綺麗な顔してるのにもったいないよ」

「んなわけない。」


それを言うなら兄さんだ。

ああいう、公の場では家柄を重視するし顔が綺麗だと余計良いポイントがつく。

だから、俺はあまりいきたくないが、あの場にいく限り顔は隠してられない。この目にかかる前髪は真ん中でわけなければ。


「エドはああいう場所苦手だからね。俺の隣にいなよ」

「……でも兄さん、女性に囲まれるから…」

「エドから離れないから大丈夫」


ね?と笑顔で言われて頷くしかなかった
兄さんは本当優しい
そろそろ嫁をつれてきてもおかしくないくらいなのに,
ずっと俺の世話ばかり

…そろそろ俺も自立しなきゃ。
今回の舞踏会で頑張ろうと決意した。



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