カンカン照りの午後
そんな道の中俺ら3人はだらけながらなんとか帰った


ここ数日は雨が降ることもなく太陽が空を照らしている
俺の嫌いな季節は去った


夏休みももうすぐだな、と松本がウキウキしながら言ってたが、お前どうせ部活だろと思った。口には出さないけど。


夏休みかぁ…
湊さん温泉がどうとか言ってたけど…俺行けるのかな。


去年は海に行った
あの時の俺はまだ、ただの暗い奴で。
それでも湊さんは俺を楽しませようと色々なことをしてくれた。

女性の視線なんて当たり前のように独り占め
それなのに、つれてる相手は無愛想な俺。

泳げない俺を無理矢理浮き輪と一緒に海に押し込んで、結構遠い岩場まで連れてってくれたりした。次の日筋肉痛で苦しんでた湊さんにはさすがに笑ったけど。


今年の夏休みはどうなるんだろう


そんな夏休みも、この期末考査が終わらなきゃこない






ーーー・・・




松本の家に到着して早々。



「ごめん、ベッド借りていい?」

「おー、いいぞー。つかおれも一回寝っかな」


俺たちを襲ってきたのは睡魔
くっそねむ…

昼御飯を食べたせいもあって余計眠気が増した



明日は二教科だけだし…


時間削んなくても大丈夫だろ

「んー、俺も寝っかな。眠い」

「ザコ寝すっぺ」



適当に布団を敷いてく松本
夏だから、ぶっちゃけ掛け布団とか一切要らない


クーラーのスイッチをいれて早々松本がダイブする

続いて俺も寝っ転がると緑川がのってきた



「っちょ、重いわ」

「眠いー」

「おれも眠いっつの。」


なに考えてんだこいつ…
体をズラして重みを軽減させるが俺の腹が枕がわりになってしまった

うわー、寝づら。
腹の圧迫感すご。


「松本んところ行けよ」

「えー、松本暑苦しい」


おれがえー、って言いたい
腹に重みを感じつつ眼を瞑る

こいつ…



ベシベシと頭を数回叩くがどうやら退く気はないらしい。


なんだかおれも枕が欲しくなって体をズラして松本の腹の上に頭をのせる
松本はすでに寝ていて何も言ってこない



…なんだかんだ言ってこういう関係好きなんだよなぁ…


うつらうつらと眠くなっていく意識のなか思う
俺の事ホモって知ったらこいつらも離れてっちゃうのかな


あれ、でもホモって男にしか恋愛感情わかない奴のこというんじゃないっけ…


でも俺別にそんなんじゃないし…
他の男には絶対こんな感情わかない

……どうして湊さんなんだろうな。



最後にそれを考えてから、深い眠りについた。




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