憂鬱な足し算
結局のところ、テスト期間が終わる木曜日まで松本の家に泊めてもらうことになった
緑川も松本も変なところで敏感なやつらで、帰ってきて早々「何かあった?」と心配してきた。気づかなくて良かったのに
秘密にするのも変な話だから湊さんに会ったことを話した。そして、「まだ気まずいから帰りたくない」とのことを伝えたら松本も「泊まってけ!」と言ってくれた。
本当迷惑な話だと思う。けれど俺の我が儘を許してくれる友人に感謝だ。松本家に今度お礼しなければ。
まあ、心配したあと「つか飯早くしろよ!」と言ってきた松本は、やっぱり殴りたい存在でもあった。
そんなこんなでテスト一日目
「………や……っべえ……」
はっきり言って、全く集中できなかった。
いろいろ考えてたら日曜の夜は眠れなくて寝不足気味だし、イライラするし、ふと頭の中に出てくる湊さんに心拍数あがるし。そして切なくなる、のエンドレス
湊さん、結局ご飯どうしたんだろう
とか
洗濯物大丈夫かな
とか。
やっぱり俺が我慢すれば湊さんは家事なんかしなくて済んだんだよな…湊さん忙しいのに、俺のせいで手間を増やさせちゃったし
……でも絶対、俺心臓もたないし、挙動不審になるし、下手すれば泣くってわかっていたし…
自分が恋してると自覚してから、頭の中が湊さんだらけだ…いや元々?
まあ、気づいたらチャイム鳴っちゃったんだけど。
……………いや、埋められるところは、埋めた…………はず。
「赤点はー・・・回避!だと思いたい!」
「お前、あんなに成幸さんに教えてもらったのに赤点だったら笑えるな」
テストが終わってSHRが終わったと同時に寄ってきた二人
俺も赤点ではないかな…
「緑川どうする?俺んちで勉強する?」
「あー、そうすっかなぁ」
ちなみに緑川は泊まらず家に帰った。
俺はもともと学校から直で松本の家に泊まっていたから、制服もあるし湊さんの家に一度も戻っていない。
「今日は成幸さんいない感じ?」
「あー、夜ならいるだろうけど。」
「そうか」
小さくため息をつく
俺としては、湊さんの関連で悩みが一気に増えて疲労がすごい
特にこの二人に関しては、この恋愛話を打ち明けるかだ。
友人がホモって知ったら、普通どう思う?
引くよな。
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